シアトル労働基準局(OLS)は3日、2025年1月1日よりシアトル市の最低賃金を時給$20.76に引き上げることを発表しました。
最低賃金の年次引き上げは最低賃金条例により義務付けられているもので、シアトル・タコマ・ベルビュー地域の消費者物価指数(CPI)に基づくインフレ率を反映します。
この最低賃金は、従業員の移民ステータスに関係なく適用されます。
企業の規模による区別の廃止
2015年以降のシアトル市内の最低賃金は、従業員数が500人以下の企業と501人以上の企業に分けて設定されてきました。
しかし、2025年1月1日より、従業員数による区別が廃止され、最低賃金が統一されます。つまり、すべての企業は従業員に時給20.76ドル以上を支払う必要があります。
また、小規模企業は、チップや従業員の医療保険をもって最低賃金の一部を補うことができなくなります。
チップ・クレジットの廃止(tip credit)
従業員数が500人以下の小規模企業は、2024年はチップや従業員の医療保険に1時間あたり$2.72以上を拠出することで最低賃金の一部を補うことができています。
しかし、2025年1月1日より、この制度が終了します。
労働基準に関する情報ポスター
シアトル労働基準局は、2025年の労働基準に関する情報を記載した改訂版のポスターを、シアトルの事業許可を持つ全ての事業者に郵送します。このポスターは英語とその他33カ国語に翻訳されたものがあり、事業者は職場に掲示する必要があります。
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サポートが必要な場合
事業者向けの支援:シアトルの最低賃金およびその他の労働基準の遵守に関するサポートを希望する場合は、電話 206-256-5297、メール(business.laborstandards@seattle.gov)、またはオンラインフォームで問い合わせることができます。相談は無料で、秘密は厳守されます。
従業員および一般向けの支援:質問、苦情の申し立て、または情報提供を希望する場合は、電話 206-256-5297、メール(workers.laborstandards@seattle.gov)、またはオンラインフォームを利用できます。
シアトルのブルース・ハレル市長は、2025年1月1日に小規模企業向けのチップ・クレジットが終了することについて、賃金の公平性を促進する一方で、パンデミックやインフレから回復中の小規模事業に大きな影響を与えると認識されていると述べています。そして、この変化に伴う小規模レストランの課題に対応するため、公衆安全やコスト圧力への対策を進め、今後も事業者と対話を続け、シアトルを起業しやすい都市にするための具体的な支援策を講じていく方針であることを改めて強調しました。