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シアトル警察のベスト署長「これは歴史上、重要な瞬間」「警察活動が以前と同じになることは決してない」

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「これは歴史上、重要な瞬間です。私たちは違う方向へ進んでいきます。警察活動が以前と同じになることは決してないでしょう」

シアトル警察のカルメン・ベスト署長は14日、CBS の『Face the Nation』に出演し、このように述べました。

先月25日にジョージ・フロイドさんがミネアポリス警察に殺害されてから、警察の黒人に対する差別や暴力に対する抗議活動は現在も続いています。シアトルでも先月29日から抗議活動が始まりましたが、平和的な抗議活動が行われる一方、ダウンタウンなどで一部が暴徒化したため、20年ぶりに州兵が派遣される展開となりました。

シアトル警察が平和的な抗議活動に対しても無差別に催涙ガスや催涙スプレー、閃光弾を使用したことなどから批判が高まり、先月29日から31日までの3日間にシアトル警察の説明責任局(OPA)に寄せられたシアトル警察の対応に対する苦情は約1万2000件にのぼりました。

アメリカ自由人権協会ワシントン州支部などが、Black Lives Matter シアトル・キング郡支部と個人の原告を代表し、デモ活動を行っている群衆を強制的に制圧するために化学薬品と発火物を使用することの中止を求め、米国地方裁判所に訴訟を提出。連邦地方裁判所はそうした証拠が認められたとして、12日にシアトル警察が抗議者に対する化学薬品の使用を禁止する仮差し止め命令を出しました。

また、今月8日にはキャピトル・ヒルで抗議活動参加者たちがシアトル警察の東分署の周囲6ブロックを通行止めにし、Capitol Hill Autonomous Zone という名称の拠点を作り始めました。市と警察に対し改革要求を出し、演説や音楽演奏、詩の朗読、人種差別に関する映画上映などを実施していますが、10日にはこれをアナーキストの仕業でドメスティック・テロリストだと考えるトランプ大統領がシアトルのダーカン市長とワシントン州のインスリー知事をツイッター上で批判し、ダーカン市長とインスリー知事が「大統領は関わらないでいい」と返答する展開となりました

現在、この地域は Capitol Hill Organized Protest と名称を変えています。

ベスト署長は、Capitol Hill Organized Protest について、たくさんの人が集まっており、さまざまな目的や課題があり、リーダーとインフルエンサーの特定が困難で、日々変化しているようであることから、「市の職員やその他の人たちの多くが彼らの意図や、どのように前進していくのかについて、何らかの方向性を示してくれる人と何らかのコミュニケーションをとろうとしていることは知っています」と述べました。

また、現時点で Capitol Hill Organized Protest は平和的であり、どれほど長く続くかわからないものの、警察署長として、負傷者を出すこと、武力を行使する状況に変わることを望んでおらず、「すべての人が安全にここから出られるような解決策に到達するために、整然とした、実際的なアプローチを取ろうとしています」と説明しています。

「緊張の中で警察署長になるのはどんな感じですか?何かの間違いが起こる余地はないと思いますか?仕事のやり方を変えましたか?」という司会者の問いに対し、ベスト署長は「おそらくご存知だと思いますが、催涙スプレーや催涙ガス、閃光弾、CS ガスの一時的な使用禁止命令が出ています。そのように、いくつかの点で、私たちはすでに対処しなければならない変化がありました」と前置きしたうえで、12日にシアトルで Black Lives Matter シアトル・キング郡支部が主催して6万人以上が参加したサイレント・マーチで、多くの人が、警察への資金提供を取りやめ、警察の残虐行為を終わらせ、免責特権を変更させようとしているのを見ていて悟ったことがあると述べました。

「そこに立って見たり聞いたりしていて、警察のやり方を変えることを悟りました。そうしなければならない。誰もが関わるムーブメントでなければならないのです」

「そして、私たちは、国として、また組織として、すべての人のために物事をより良くするために、どのように前進していくのかを再考し、再検討する必要があります」

「非常に難しいことですが、どんな挑戦にもチャンスはあります。前進し、人々を団結させ、前向きな変化を得る機会がある。私はそれを絶対に信じています」

「そのため、ストレスの多い状況においても、私や私の組織が、すべての人たちのために物事をより良くしようとする方向から外れることはないでしょう」

今回の状況により、全米の地方の指導者たちが警察活動に対する独自の政策変更を実施している一方で、米国議会は法執行に対する説明責任を高めることを目的とした提案にも取り組んでいます。民主党下院議員は先週、警察改革法の草案を公表しました。

シアトル・タイムズは、「人種的正義と警察の説明責任に関する平和的な抗議と議論がシアトル中で続いている中で、ベスト署長は全米の警察が根本的な変化に直面しているという驚くべき認識を示し、日曜日の午後、セントラル・ディストリクトのグッドウィル・ミッションリー・バプティスト教会で行われたイベントでもこれを繰り返した」と報じています。また、このイベントで、ベスト署長は「変化を起こそうと懸命に働いている素晴らしい警察官たちを指揮しているが…そうでない警察官は、システムから取り除く方法を見つけよう」と述べたとのことです。

ベスト署長の『Face the Nation』でのやり取りの全文はこちら



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