シアトル・シンフォニーは5日、2025/2026シーズンから5年間の契約で、新しい音楽監督に Xian Zhang(ジャン・シャン:张弦)が就任したと発表しました。
シャンは2008年にシアトル・シンフォニーのホームシアターであるベナロヤ・ホールでデビューし、パンデミックの最中に最初にステージに復帰した指揮者の一人としてシアトル・シンフォニーを支えてきた人物です。
中国遼寧省丹東市で音楽家の両親のもとに生まれた張は、幼少期に母親から父親が作ったピアノで音楽を学び始めました。その後、北京の中央音楽学院で音楽の勉強を続け、学士号と修士号を取得しました。
現在、シャンはメルボルン交響楽団の芸術大使およびミラノ・シンフォニカ管弦楽団の名誉指揮者を務めています。8年に渡り音楽監督を務めたニュージャージー交響楽団の初の女性音楽監督であり、イタリアの交響楽団でも初の女性音楽監督となりました。そして今回、彼女は米国西海岸の主要なオーケストラを率いる最初の女性音楽監督にもなったのです。
これまでのキャリアを通じて国際的な評価を獲得しているシャン。特にニュージャージー交響楽団の音楽監督として8シーズンを務めたことや、メトロポリタン歌劇場やフィラデルフィア管弦楽団(2023年にグラミー賞を受賞)などでの客演指揮者としての最近の活躍が評価されています。
2024/2025出演予定
シャンは、2024/2025シーズンは指揮者としてシアトルのベナロヤ・ホールに2回出演予定です。
2025年3月27日、29日、30日
『ホルスト: 惑星』を指揮するほか、アメリカの作曲家ビリー・チャイルズによる新しい協奏曲でサックス奏者スティーブン・バンクスと共演します。
2025年6月12日、14日、15日
Hilary Hahn Plays Beethoven
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲とプロコフィエフの交響曲第5番を指揮し、バイオリン奏者ヒラリー・ハーンと共演します。
「シアトル交響楽団の次期音楽監督に就任し、この素晴らしいオーケストラと音楽を作り続けられることを大変うれしく思います」と、ジャン・シャンは述べています。
「何年にもわたり、私はシアトル交響楽団の素晴らしい才能と新しい音楽をステージにもたらしたいという熱意に感銘を受けてきました。シアトル交響楽団に今加わることは、まるで故郷に帰ってくるような気持ちです。2008年のベナロヤ・ホールでのデビューから、2020年の劇場公演復帰まで、素晴らしい演奏者たちと特別な絆を感じています。シアトルを訪れるたびに、その美しい風景や、地元の芸術コミュニティに対する観客の深い愛情を感じることができました。音楽監督として、観客とより深く繋がり、感動的なコンサートを一緒に体験し、新しい音楽を発見できることを楽しみにしています。ベナロヤ・ホールは、私が指揮をする中でも特に気に入っているホールの一つです。これまでシアトル交響楽団で共に仕事をさせていただいた素晴らしい人々、演奏者、理事、スタッフの皆さんに感謝します。これからの素晴らしい未来を楽しみにしています」