現地時間3日、アメリカがバクダッドを空爆し、イラン革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を殺害したことにより、アメリカとイランの間の緊張が高まっています。
ニューヨーク・タイムズが同日に報じたところによると、新たな戦争が始まれば徴兵登録(Selective Service System)を義務付けられている一般の男性も徴兵される可能性があるのではとの懸念が広がったためか、同システムの公式サイトにアクセスが集中し、一時ダウンしました。
アメリカは1973年に徴兵制度を廃止し、現在のアメリカの軍隊は志願する人々で成り立っています。昨年9月時点での現役の軍人の数は合計136万6,657人。2015年にすべての戦闘ポジションに女性が就くことができるようになったことから女性の軍人も増え、国防総省によると、空軍では20%、海軍では19%、陸軍では15%、海兵隊では9%近くを女性が占めています。
一方、18歳~25歳の男性に義務付けられている徴兵登録(Selective Service System)は、登録した男性が軍隊に志願しているという意味ではなく、軍隊への自動的な入隊でもありません。
また、ニューヨーク・タイムズによると、すぐに一般人が徴兵されるわけではなく、徴兵制度を再導入するには米国議会が徴兵制度を再導入する法律を可決し、大統領が署名する必要があり、政治的に広範囲での支持が必要なことが予想されます。
移民法を専門とする琴河利恵弁護士によると、徴兵登録への登録は、米国市民だけの義務ではなく、永住権保持者、不法滞在者、Parolee(仮入国許可保持者)、難民、亡命希望者にも義務付けられています。
また、徴兵登録は、18歳の誕生日を迎える前後30日以内に完了する必要があり、徴兵登録をし忘れてしまった場合は、「法律上、重罪と見なされ、$250,000の罰金、または最長5年の禁固刑、またはその両方が科せられる可能性があります。 18歳の誕生日を迎えてから30日が過ぎた後も、26歳に到達するまでは後期登録が認められていますが、26歳の誕生日を迎えた後の登録はできません」。
なお、現時点で女性は徴兵登録の対象となっていません。これまで女性も対象にすることが検討され、何度か裁判が行われており、2019年の裁判では「女性を対象にしないのは違憲」という判断をヒューストンの連邦地裁判事が出しました。現在、National Commission on Military、National and Public Service が女性も登録対象にすることについて審議を行っており、今年5月には報告書が公開される予定です。