50周年を迎えるシアトル国際映画祭: 2024年の上映作品とチケット購入ガイド

ジャングルシティ

8か月前

春恒例のシアトル国際映画祭（Seattle International Film Festival: SIFF「シフ」）が、5月9日から5月19日までの11日間にわたり開催されます。50回目を迎える今年は、84カ国・地域から出品された長編作品146本を含む合計261本の作品をラインアップ。その中には世界初公開作品18本、北米初公開作品26本、米国初公開作品14本も含まれます。

例年15万人以上の観客を動員するこの一大イベントについて、パスの購入方法から会場情報、注目作品まで、知っておくべき情報をここでご紹介します。映画好きにとっては見逃せないこの祭典、ぜひご参加ください。

SIFF PASSES　映画祭パス

注：$664のパスと$2,500のプラチナムパスは完売しています。

Platinum pass　プラチナム・パス

オープニングナイトの映画上映で予約席あり
各会場で希望の座席確保＋ゲスト3人同伴可能
優先入場（他のパス保持者や一般チケット購入者の前に入場）
コンシェルジェ付き
バーチャル上映へのアクセス付き
プライベート上映会への招待付き

価格: SIFF 非会員 $1,619.99; SIFF 会員 $1,319.99（購入）

Secret Fest pass　シークレット・フェスト・パス

上映作品は当日入場後まで非公開
会場は SIFF Cinema Egyptian で5月12日・19日の午前11時開始
バーチャルアクセス不可

価格：SIFF 非会員 $42.79; SIFF 会員 $37.69（購入）

パスの受け取り方法

goelevent.com にアクセスし、ページ上部右にあるドロップダウンメニューの “Account” をクリックします。必要事項を記入し（氏名と顔写真のアップロード）します。登録のステップはこちら。

顔写真付きのパスは、SIFF Film Center で受け取ることができますが、プレビュー上映では受け取ることはできません。

4月18日〜5月8日の平日のみ: 午前10時から午後5時
5月9日〜5月19日の毎日: 午前10時から午後6時

SIFF PACKAGES　鑑賞券のまとめ買い

オープニングナイトの映画上映とガラ

このパッケージには、5月9日に開催されるオープニングナイトの映画上映と上映後のガラ、ガラで使用できるドリンク券3枚、パーティーでの前菜が含まれています。

上映作品：ジョシュ・マーゴリン監督作品『Thelma』
価格：SIFF非会員 $86.50、SIFF会員 $76.50（購入）

オープニングナイトのレッドカーペット体験

このパッケージでは、5月9日に開催されるオープニングナイトで午後5時からレッドカーペットを歩き、エクスクルーシブな事前レセプションに参加できるほか、無料のドリンクが楽しめます。上映終了後は各自の VIP ラウンジが利用でき、袋入りのお土産がもらえます。21歳以上のみ。入場には運転免許証などの身分証明書が必要です。

上映作品：ジョシュ・マーゴリン監督作品『Thelma』
価格：$351.50（購入）

クロージングナイトの映画上映＆ガラ

このパッケージでは、5月19日のクロージングナイトの映画鑑賞と上映終了後のガラでのドリンク券とオードブルがが楽しめます。

上映作品：『Sing Sing』
価格：SIFF 非会員 $86.50; SIFF 会員 $76.50（購入）

クロージングナイトのパーティ参加のみ

クロージングナイトの作品上映終了後のパーティのみ参加できます。

価格：SIFF 非会員 $51.50; SIFF 会員 $46.50（購入）

TICKETS 個別の鑑賞券の購入

個別の鑑賞券の購入にも、いくつかオプションがあります。

6-pack　引換券6枚セット

引換券の6枚セットは、特別上映ではない作品の鑑賞に使用できます（バーチャル上映も含む）。なお、1回の上映に使えるのは2枚まで。上映開始時間の10分前までは使用できますが、それ以後は座席の保証はありません。

価格：SIFF 非会員 $75; SIFF 会員 $63（購入）
使い方：siff.net または goelevent.com で自分のアカウントにログインし、”Fulfill Package” を選びます。上映作品のページに行くと、Festival 6-Pack option ($0)がチケットのメニューに表示されます。引換券の枚数を入力し（2枚まで）カートに入れます。そして、チェックアウトで注文を完了します。購入方法の説明動画はこちら。説明ページはこちら。

チケットや引換券のパッケージの交換は SIFF のボックスオフィスや電話（206-464-5830）で。

なお、このチケットは、ガラでの映画上映、ガラ、そしてその他の特別上映やプライベートイベントには使用できません。

個別チケット

劇場での上映やバーチャル上映の個別チケットは、公式サイトの各作品の詳細ページ、または SIFF Cinema のどのボックスオフィスでも購入できます。上映日の会場でも購入できる可能性はありますが、鑑賞券がそれまで残っている保証はありません。

価格：$15（購入）

ストリーミング

SIFF のバーチャル上映は、5月20日の午前0時から5月27日の午後11時59分までです。ストリーミングで鑑賞できる作品はこちら。

チケットを購入すると、SIFF から確認メールが送られてきます。その後、アクセスに必要なコードが別にメールで送られてきます。実際に作品を鑑賞するためのリンクは5月20日〜5月27日に送られてきます。ウェブサイトの watch.siff.net または SIFF TV のアプリでアクセスコードを入力して鑑賞を開始します。なお、鑑賞は48時間以内に終了する必要があります。

パス購入者の場合は、パスの購入に使用したメールアドレスとパスワードを使用し、watch.siff.net または SIFF TV のアプリで鑑賞できます。鑑賞できる期間は5月20日から5月27日まで。

なお、ほとんどの作品は米国内でのみ鑑賞できるようブロックされています。その他の規制については、SIFF 公式サイトで各作品の詳細をご覧ください。

2024年の注目作品

シアトル国際映画祭では、米国初公開や北米初公開、世界初公開の作品も多く上映されます。ここでは、公開前から話題になっている作品をいくつかご紹介します。

Thelma
監督：ジョシュ・マーゴリン
1万ドルをだまし取られた93歳の主人公は、どんな手を使ってでも金を取り戻そうと、大胆なミッションに乗り出すが…。脚本・監督のジョシュ・マーゴリン、プロデューサーのゾーイ・ワースとクリス・ケイ、トリビュート受賞者のジューン・スクイブが出席し、上映後にQ&Aを行う予定。

Sing Sing
監督：Greg Kwedar
2023年のトロント国際映画祭で初上映され、来年のアカデミー賞候補とも言われる作品。不当な理由で服役させられてしまう男（オスカー候補のコルマン・ドミンゴ）が、刑務所の劇団を通じて目的を見出していく。5月18日のクロージングナイトに上映され、監督や出演者らが出席予定。

Didi
監督：ショーン・ワン（『Nai Nai & Wài Pó』アカデミー賞ノミネート、SIFF 2023審査員大賞受賞）
台湾系アメリカ人の男子が、高校入学前の夏に「大人になること」の意味を学ぶ。サンダンス映画祭で観客賞を受賞。

Tim Travers & the Time Traveler’s Paradox
ワシントン州東部のスポケーンで撮影された SF コメディ。天才的な科学者がタイムマシンを発明し、昔の自分の殺害計画を実行しようとするが、想定外の展開になり…。出演は、フェリシア・デイ（『Mystery Science Theater 3000』）、キース・デイヴィッド（『Sing』）、シアトル出身のジョエル・マクヘイル（『Community』）他。上映には監督・脚本のスティムソン・スニードが出席予定。

シアトルらしい企画では、ネイティブ・アメリカンの映像監督による作品をラインアップした『cINeDIGENOUS』も要チェック。また、シアトル出身でワシントン大学卒業生のエミー賞・SAG賞受賞俳優ジーン・スマートが、5月18日にSIFFシネマ・ダウンタウン（旧シネラマ）で開催されるプログラムに出席し、ハリウッド・レポーター誌のトレイルブレイザー賞を授与されます。当日は、スマートが新しい時代に試行錯誤する伝説的なスタンダップコメディアンを演じて高い評価を得ているマックス・シリーズ『Hacks』の新シーズンのエピソードが上映されます。

日本映画

Black Box Diaries

映像ジャーナリストの伊藤詩織によるドキュメンタリー。元テレビ局員による性的暴行被害を訴えた2017年の記者会見に遡り、自身のその後の調査活動を記録したもので、2024年1月にアメリカの第41回サンダンス映画祭の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門に正式出品された。上映日は5月10日・11日。日本語公式サイトはこちら。

『箱男』（The Box Man）

監督：石井岳龍
安部公房が1973年に発表し、代表作の一つとされる小説の映画化。段ボール箱をかぶり、街を彷徨う男は、覗き窓から何を見るのか。そして、次々と現れる危険や謎の人物とは。第74回ベルリン国際映画祭で世界初公開。出演は、永瀬正敏、佐藤浩市、浅野忠信、白本彩奈、他。日本語公式サイトはこちら。

『悪は存在しない』（Evil Does Not Exist）

監督：濱口竜介（『ドライブ・マイ・カー』）
舞台は自然豊かな長野県の水挽町（みずびきちょう）。自然と共にある慎ましい暮らしを送っていた町民のところに、企業がグランピング場の建設を計画しているとの知らせが入る。それまでの暮らしはもちろん、自然を破壊しかねないその計画は、代々その土地に暮らしてきた巧（大美賀均）とその娘・花（西川玲）にも影響を与えていく。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門へ正式出品作品。日本語公式サイトはこちら。

日本映画は『Asian Crossroads』シリーズに含まれています。シリーズ一覧はこちら。

今年は会場を増やして、規模を拡大

今年は、SIFFシネマ・アップタウン（クイーン・アン）、SIFF シネマ・エジプシャン（キャピトル・ヒル）、SIFF フィルムセンター（シアトル・センター）、そして新たにオープンするSIFFシネマ・ダウンタウン（ベルタウン）に加え、シアトル市内近郊の他の会場でも映画が上映されます。上映会場が増えることで、観客動員数の増加が期待されます。