2022年で48回目を迎えるシアトル国際映画祭が、4月14日から4月24日まで、オンラインと映画館の上映を組み合わせたハイブリット型で開催されます。
今年は、米国を含む80カ国から出品された長編映画107本、ドキュメンタリー41本、古典3本、短編107本など、262本の作品がラインアップ。それには世界初上映作品28本(長編15本・短編13本)、北米初上映作品24本(長編17本・短編7本)、米国初上映(長編4本・短編5本)が含まれます。
出品作品の60%はデビュー作や2作目で、米国での公開が決定していない作品が59%、女性/ノンバイナリ監督作品43%を占めています。他ではまだ見られない作品が比較的多い印象です。
上映館はシアトル市内にある8館のみ。遠方の場合は、SIFF Channel でのストリーミングを利用できます。
オープニングナイト&ガラ
【開催日時】 4月14日(木) 上映開始:7pm; パーティー 9pm-12am
【会場】 Paramount Theatre(ダウンタウン)
シアトル国際映画祭の開幕を飾るオープニングナイトでは、ロシアの反体制派の活動家、アレクセイ・ナヴァーリヌイ(ナワリヌイ)のドキュメンタリー 『Navalny』 が上映されます。
【タイトル】 Navalny
【監督】 ダニエル・ロアー(『Once Were Brothers』(2019)、『Sourtoe: The Story of the Sorry Cannibal』(2016))
【ジャンル】 ドキュメンタリー
今年のサンダンス映画祭で初公開され、高い評価を得た 『Navalny』 は、2020年3月22日に起きたナヴァルニーの暗殺未遂事件を追ったドキュメンタリー。ロシア政府は関与を否定するが、西側諸国で行われた調査で、冷戦時代にソ連が開発した毒物が使用されたことが発表される。奇跡的に命を取り留めたナヴァルニーはドイツでの療養後、ロシアに帰国するが、詐欺罪やロシア裁判所侮辱罪で有罪となり、禁固刑となっている。この作品に使われた映像は主にナヴァルニーのドイツ滞在中に密かに撮影され、ナヴァルニー本人、妻のユリア、側近のアドバイザーのインタビューも含まれている。
クロージングナイト&ガラ
【開催日時】 4月24日(日) 上映開始:6pm; パーティー 8pm-11pm
【会場】 Museum of History and Industry(サウス・レイク・ユニオン)
4月24日(日)のクロージングナイトには、ゴールデンスペースニードル賞の受賞者・受賞作品の発表と、監督による『Call Jane』 が上映されます。
【タイトル】 Call Jane
【監督】 フィリス・ナジー(『Mrs. Harris』(2005)
【ジャンル】 ドラマ
【出演】 エリザベス・バンクス、シガニー・ウィーバー、ケイト・マーラ、ウンミ・モサク、クリス・メッシーナ
舞台は1968年のシカゴ。郊外で夫と娘と平凡な生活を送っていた主婦のジョイ(エリザベス・バンクス)は、二人目の子どもを妊娠してから、めまいがしたり、失神したりするようになる。心臓に疾患があり、生きるには妊娠を避ける必要があると医師に告げられるが、わずかながら無事に出産できる可能性があることから、緊急中絶は認められない。解決策を模索するジョイは、秘密の女性団体を率いるヴァージニア(シガニー・ウィーバー)と出会ったことで、人生が変わっていく。監督は、『キャロル』 の脚本を手掛けたフィリス・ナジー。
日本映画
日本映画は、湯浅政明監督の劇場アニメ 『犬王』(Inu-Oh)と齋藤俊道監督の長編デビュー作『The Pursuit of Perfection』の2本が上映されます。
【タイトル】 『犬王』(Inu-Oh)
【監督】 湯浅政明
【ジャンル】 ミュージカルアニメ
【声の出演】 アヴちゃん、森山未來、柄本佑、津田健次郎、松重豊
【公式サイト】 inuoh-anime.com
【上映日時】4/20(水)午後6時30分 SIFF Cinema Egyptian | 4/23(土)午後3時 SIFF Cinema Uptown
室町時代に実在した能楽師・犬王の一生を描いた古川日出男の小説 『平家物語 犬王の巻』 を原作とする劇場ミュージカルアニメ。京の都で猿楽の一座に生まれた犬王は、異形であることが理由で周囲に疎まれ、その顔を瓢箪の面で隠している。しかし、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の友魚と偶然出会って意気投合。強い友情で結ばれた二人は、これまでになかった舞いと音楽で一世を風靡する。
【タイトル】 『The Pursuit of Perfection』
【監督】 齋藤俊道
【ジャンル】ドキュメンタリー
【上映日時】4/15(金)午後6時15分 AMC Pacific Place 11 | 4/16(土)午後3時30分 Majestic Bay Theatres
齋藤俊道監督の長編デビュー作。『銀座しのはら』の篠原武将氏、『été(エテ)』の庄司夏子氏、『Sugalabo』の須賀洋介氏、『日本橋蛎殻町すぎた』の杉田孝明氏と、日本を代表する4人のシェフが登場します。
特に注目の作品には、シアトル国際映画祭のオスカー受賞者ジム・ブロードベントとヘレン・ミレン主演の 『The Duke』、湯浅政明監督の『犬王』、人気短編ストップモーション・モキュメンタリー・シリーズの 『Marcel the Shell with Shoes On』 の続編、サンダンス賞受賞のドキュメンタリー 『Fire of Love』 が挙げられています。
プログラム、映画祭パス&チケットは、SIFF 公式サイトで。