
昨年からさまざまな高等教育機関が『USニューズ&ワールド・レポート』(以下、USニューズ)のランキングに参加しないことを発表していますが、今年1月中旬にハーバード・メディカル・スクールが参加しないことを発表した後、これに続くメディカル・スクールが増えています。
ハーバード大学メディカルスクールの学長は、教育界のリーダーたちがUSニューズによるメディカルスクールの評価やランキング方法を長年にわたり批判してきたことに触れながらも、問題はランキング方法というよりも哲学的なもので、「我々が育もうと努力している教育の卓越性、卒業生の準備、患者に対する思いやりのある公平なケアをランキングに意味ある形で反映することはできないという原則的な信念に基づいている」と説明しています。
2月時点で、コロンビア大学、スタンフォード大学、ペンシルベニア大学、コーネル大学、デューク大学、シカゴ大学、そしてここワシントン州にあるワシントン大学のメディカルスクールなどが、その仲間入りをしました。
USニューズのメディカル・スクールのランキング2023年版では、ハーバードが1位で、コロンビア(3位)、デューク大学(6位)、ペンシルベニア大学(同6位)、スタンフォード大学(8位)、ワシントン大学(9位)、コーネル大学(14位)、シカゴ大学(20位)と、今回不参加を発表した大学は上位を占めています。
高等教育の情報を提供する Inside Higher Education は、ランキングを批判しているのは明らかにハーバードだけではないことから、イェール大学ロースクールを皮切りにランキングに参加しないロースクールが増えたことに匹敵する規模に発展するかもしれないと報じています。
1983年に初めて発表されて以来、USニューズのランキングは大きな影響力を持つまでになりましたが、これに参加しないということは、具体的にはランキングの作成に必要とされる詳細な情報を提供しないということを意味します。