世界に3万1,000店以上を展開するスターバックス(本社:シアトル)は21日、2030年までにCO2排出量や廃棄物最終処分量、水の使用量を50%削減するという、新たなサステナビリティへのコミットメントを発表しました。
スターバックスのケビン・ジョンソン CEO 兼社長はパートナーや顧客、関係者全員に宛てたメッセージで、「2021年に創業50周年を迎えるにあたり、私たちは、私たち自身に挑戦し、より大きい視点で考え、他の人々と協力して、私たちが共有する地球を大切にするために、より多くのことをしなければならないという切迫感と確信を高めながら、将来を見据えている」と述べ、「明確な出発点を提供し、資源の前向きな未来に向けて私たちを動かし始める5つの環境戦略」を発表しました。
- 「プラントベース(植物ベース)」のオプションを増やし、より環境に配慮したメニューに移行する。
- 使い捨ての包装から再利用の包装への転換を図る。
- サプライチェーンにおける革新的かつ再生可能な農業慣行、水の供給を実現する植林・森林保全に投資する。
- 再利用とリサイクルによる資材と食品の廃棄物の削減を促進するため 、店舗と地域社会の両方で廃棄物管理の改善に投資する。
- より環境に配慮した店舗・事業・製造・配送に向けたイノベーションを推進する。
また、現在の同社の環境への影響に関するレポートを公開。今後は目標に対する短期的・長期的な進捗を報告するとして、2030年までに達成することを目標とする、次の3つの予備目標を発表しました。
- 直営店・サプライチェーンでのCO2排出量を50%削減する。
- 直営店の経営とコーヒーの生産に使われる水の50%を、水不足の地域社会と流域に保全または補充する。
- 循環型経済への転換により、店舗・製造業からの廃棄物最終処分量を50%削減する。
このニュースを報じたシアトル・タイムズは、これまでスターバックスの廃棄物削減の実績を批判してきたいくつかの環境団体を含む多くの環境団体がこの発表を慎重ながらも楽観的な見方で受け止めたと報じています。また、同社が2008年に「2015年までにドリンクの25%を再利用可能なカップで提供する」という目標を掲げながら、2018年時点で再利用可能なカップで提供したドリンクは売り上げの2%未満であること、1985年から容器を持参した顧客が受けられる10 セントの割引を利用している人もわずか1.8%に過ぎないことなどに触れ、スターバックスはこれまでのサステナブルな戦略がスターバックスの利便性の高い商品と包装を評価する消費者の行動をどのように変えるかに関する研究による十分な根拠に基づいていないことを認めているとのこと。しかし、今回発表されたサステナビリティ戦略では、炭素や水などの環境への影響を測定するだけでなく、「持続可能な選択をするために消費者行動にポジティブな影響を与えることができるのは何か」を計ることにもかなりのリソースを投入しているとのことです。
Thank you, @Starbucks, for taking these big steps toward sustainability. Climate change is our greatest threat and we need leaders like you in the fight.https://t.co/Q0XgmPBAud
— Governor Jay Inslee (@GovInslee) January 22, 2020
スターバックスの発表について、ワシントン州のジェイ・インズリー知事は「サステナビリティへの大きな一歩を踏み出したことに感謝する」とツイート。気候変動は最大の脅威であり、その闘いには貴社のようなリーダーが必要だ」と公式ツイッターに投稿しています。