Startup Genome による世界のスタートアップのエコシステムについての報告書 『The Global Startup Ecosystem Report 2024』(GSER 2024)で、シアトルは昨年から10位後退し、20位にランクを下げたことがわかりました。
上位3位は2020年から変わらず
このランキングは450万社のスタートアップのある世界55カ国、300のエコシステムを分析し、パフォーマンス、資金調達、人材と経験、市場のリーチ、および知識で評価したもの。
シリコンバレーがトップを維持し、その次にニューヨーク市とロンドンが2位タイと、上位3位は2020年から変更していません。テルアビブは昨年から1ランク上昇して、ロサンゼルスと4位タイ。
上位10以内は次のとおりです。
順位 | エコシステム | 昨年からの変更 |
1位 | シリコンバレー | |
2位 | ニューヨーク、ロンドン | |
4位タイ | ロサンゼルス | |
テルアビブ(イスラエル) | 5位から4位に上昇 | |
6位 | ボストン | |
7位 | シンガポール | 8位から7位に上昇 |
8位 | 北京 | 7位から8位に後退 |
9位 | ソウル | 12位から9位に上昇 |
10位 | 東京 | 15位から10位に上昇 |
11位 | 上海 | 9位から11位に後退 |
12位 | ワシントンDC | |
13位 | オランダ | 14位から13位に上昇 |
14位 | パリ | 18位から14位に上昇 |
15位 | ベルリン |
上位15位に入ったアジアの都市は5都市で、シンガポール、ソウル、東京が順位を上げました。特に東京は15位から初めて上位10位内に入り、「トップ10のエコシステムの中で最も大きな改善」と紹介されています。
シアトルは「将来のユニコーン企業の理想的な育成地」
シアトルが順位を下げた理由として、資金調達とシリーズAの取引の大幅な減少が指摘されています。しかし、ランクを下げたにも関わらず、Startup Genome はシアトルについて、「革新のためのトップクラスのハブであり続けており、この地域の才能ある人材の層の厚みは信じられないほどで、それが近い将来に変わるとは思えない」と評価しています。また、シアトルの強みとして AI、ビッグデータとアナリティクス、ライフサイエンス、農業技術/新食品が挙げられ、AIの才能の密度では全米2位にランクされていると紹介されています。
さらに、スタートアップがシアトルを考慮すべき理由として、マイクロソフトやアマゾン、そして多くのデカコーン企業の創業の地で活気に満ちたテクノロジーエコシステムが創出されていること、強力で多様な人材を確保できること、スタートアップ関連のイベントが多数開催されていることから、「将来のユニコーン企業の理想的な育成地」とも評価しています。