カナダのブリティッシュ・コロンビア州からワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州北部まで広がるカスカディア沈み込み帯(Cascadia subduction zone)で発生する地震は、ワシントン州にとって最大の津波災害をもたらすと予想されています。
カスカディア沈み込み帯は、ファン・デ・フカ海峡のテクトニック・プレートが、より巨大なノース・アメリカン・プレートに引き込まれる地域のことで、300年から600年ごとに大規模地震を引き起こすという際に発生する地質学的なデータがあがっています。
今回、地震による津波災害が想定される4つの地域と避難にかかる時間を示す新しい地図を、ワシントン州天然資源局(The Washington State Department of Natural Resources:DNR)が発表しました。これは、同局の Washington Geological Survey が作成したもので、カスカディア沈み込み帯でマグニチュード9の地震が発生した場合に津波が想定されるポート・タウンゼンド、ロングビーチ/シービュー、イルワコ、ウエストポートの4地域から徒歩で安全な地域まで避難するのにかかる時間が書かれています。
今年4月に発表された、ポート・エンジェルス、ベリンハム、アナコルテス、アバディーン、ホキアム(Hoquiam)、コスモポリスの地図と合わせて確認しておきましょう。
DNR は、場所や地形によって安全な地域に到達できるまでにかかる時間が異なるほか、地震による建物の倒壊やインフラの損害までは予想できないため、避難にはこれより長い時間がかかる可能性もあることを考えておく必要があると指摘しています。また、この分数は1時間2.46マイル(約3.96km)というゆっくりしたペースが前提であることから、自分の普段の歩行スピードと比較すると、自分にとってより現実的な数字が予想できます。
KING5によると、今年9月、アメリカ海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)とナショナル・ウェザー・サービスが870,752ドルの連邦補助金をワシントン州に提供することを発表。これは、津波の発生を知らせるサイレン、津波についての動画の制作、避難訓練の実施、地図や標識のアップグレードなどに充てられます。