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アメリカの9月の雇用統計 失業率が過去50年で最低 都市圏の格差が明確化

労働省が4日に発表した9月の雇用統計で、アメリカの失業率は3.5%と過去50年で最低となったものの、非農業部門の就業者数は事前予測を下回り、また、平均時給は前年同期比2.9%増と、2018年7月以来の低水準となったことがわかりました。

景気の動向を敏感に反映するとされる非農業部門の雇用は8月の168,000人増を下回る136,000人の増加となり、アナリストらが予想していた147,000人の雇用増を下回ったものの、失業率を過去50年で最低の3.5%に引き下げることにつながりました。

しかし、Market Insider は、「失業率は50年ぶりの低水準であっても、所得の伸びが鈍化することは、支出の減少につながり、雇用・投資・経済成長を脅かす流れが始まることから、賃金上昇の鈍化はアメリカの経済にとって深刻な影響を及ぼす可能性がある」「トランプ政権による主要な貿易国に対する関税の拡大や、今後の貿易政策の不透明さから、製造業やサービス業の市場が縮小し、就業者数が減少に転じている」と指摘しています。

また、Forbes は、「アメリカの国土は広く、地理的・経済的に多様であり、国レベルで公共政策を最適化することは困難。一部の地域経済に打撃を与えない政策は、他の地域にも大きな打撃を与えることもある」と指摘しています。同紙によると、労働統計局の都市圏に特化した発表では、都市や地方間の格差が浮き彫りにされています。例として、人口100万人以上(2010年時点)の都市圏で2018年8月から2019年8月に雇用の増加率が最大となったのは、オーランド(4%)、ダラス・フォートワース(3.1%)、シアトル~タコマ(3.1%)、ヒューストン(2.7%)、フェニックス(2.7%)。その他の都市圏の雇用はほぼ横ばいか縮小する結果となり、北部や中西部の同様の規模の都市よりも、南部と西部の大都市で雇用が大幅に増加しているのが最近の傾向です。これは失業率にも共通しており、オレゴン州ポートランドは1.7%でしたが、ワシントンDCは5.4%でした。同じ州でもばらつきがあり、カリフォルニア州ではサンフランシスコ都市圏は2.4%であったものの、エル・セントロでは22%と、内陸の都市部は失業率が高くなっています。



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