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​ワシントン州、接触通知ツール『WA Notify』を発表 新型コロナウイルスの感染拡大で

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​ワシントン州のインスリー知事とワシントン州保健局は30日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するための匿名の接触通知ツール『WA Notify』のリリースを発表しました。

この『WA Notify』をスマートフォンに追加しておくと、自分が過去2週間の間にまとまった時間を過ごした他の『WA Notify』ユーザが新型コロナウイルス検査で陽性が確認された場合、「新型コロナウイルスに感染した可能性がある」という通知が自動的に送られてくるようになります。

なお、『​WA Notify』 は、ユーザが接触した相手に関する情報を追跡またはトレースせず、個人情報の収集や交換をしないため、新型コロナウイルス検査で陽性と判定された人が誰と接触していたかを特定する「接触追跡」(contact tracing)とは異なります。

ワシントン州の発表によると、基本的な流れは次のとおりです。

  1. 『​WA Notify』 をスマートフォンに追加する
  2. 『​WA Notify』 を追加した人の近くにいて、双方が Bluetooth を使っている場合、スマートフォン同士が完全に匿名で無作為のコード(random code)を交換する
  3. 自分が過去2週間の間にまとまった時間を過ごした他の『WA Notify』ユーザが新型コロナウイルス検査で陽性が確認される
  4. その人が公衆衛生局から連絡を受けて与えられた確認コード(verification code)を『WA Notify』に入力する
  5. 4により、その人が過去14日間にまとまった時間の接触のあった他の『WA Notify』ユーザに「新型コロナウイルスに感染した可能性がある」という通知が自動的に送られる
  6. 通知を受けた人が、感染拡大を防止するための適切な対策を取る

『​WA Notify』 では Google と Apple が共同開発したプライバシー保護技術が採用されていますが、ワシントン州政府は、セキュリティや人権保護の専門家、COVID-19により過度に大きな影響を受けている有色人種・障碍者などのコミュニティのリーダーらが参加している監視委員会から、この技術を採用するよう勧告を受けたとのこと。これにより、所在地や個人データを収集したり開示したりすることなく機能するようになっています。

ワシントン大学のコンピュータサイエンス&エンジニアリングのステファノ・テッサロ准教授は、​「最近では、追跡されたり個人情報が流出したりすることを心配する人もいるだろう。しかし、『​WA Notify』に使われている技術は、世界中のセキュリティおよびプライバシーの専門家によって精査されており、ユーザを個人的に特定する情報を収集または保存することはない」と述べ、これから自分の電話に『WA Notify』を追加する予定で、友人や家族にもそれを使うよう勧めるとのことです。

ワシントン大学は在校生と11月に 『​WA Notify』 を試験運用しています。

インスリー知事は、​「セキュリティ保護された非公開で匿名の公開通知技術は、ワシントン州にとって重要なツールである」と述べ、​「できるだけ多くのワシントン州在住者が、自分と、自分の大切な人、地域社会を守ることができるよう、『WA Notify』 を29言語で展開している。このウイルスを抑制するために協力し続けられるよう、今日から『WA Notify』を使い始めることを勧める」と呼びかけました。

​ワシントン州の三郡のデータモデルでは、ほんのわずかな割合の人が『WA Notify』を有効にしただけでも COVID-19による感染と死亡を減らすことができるという結果が出ています。

また、​オックスフォード大学とスタンフォード大学の研究によると、この通知技術を使う人が多ければ多いほど、より効果的であることが示されています。

「​人口の15%が参加したモデルでは、このデジタル通知システムが従来の接触追跡を効果的に補完し、感染を約8%、死亡を6%減らせることが確認されており、通知システムがワシントン州およびそれ以外の州の保健当局にとって従来の公衆衛生による介入を補完してCOVID-19の拡大を抑制する方法についての指針となると考えられる」

『WA Notify』 についての日本語での説明はワシントン州の公式サイトで確認できます。

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