大学の学費が高いことで有名なアメリカ。その上、物価が上昇する一方のシアトルに留学するとなると、かなりの費用がかかります。そこで!前回も登場していただいた、車なしで生活している留学生4人に、日々の節約術について聞いてみました!
神林麻友さん(かんばやし・まゆ)
大学:ベルビュー・カレッジ
住居費に関しては、1つの部屋に2人で住んで、部屋代を分割しています。かなり安く抑えられる上、ルームメイトがいるおかげで常に楽しいです。(でも、一人の時間がほぼなくなるため、勉強時間や入浴時間をお互いに調整する必要があります。)
学費に関しては、良い成績を維持していれば学校から約500ドルの奨学金をもらうことができました。こんなふうに留学生にも奨学金を出してくれるところがあります。
教科書は、新品はとても高いので、中古を買っています。ベルビュー・カレッジでは学生同士が自分たちが使った教科書を売買する Facebook のグループがあるので、それを頻繁に利用しています。
食費は、なるべく自炊して出費を抑えるようにしています。自宅から徒歩で行けるスーパーマーケットが少ないので、食料は一回の買い物でなるべくたくさん買うようにしています。さらに、毎日水筒を持参するなどして、小さいことから節約しています。
公共図書館では、貸し出しカードを作ると無料で白黒やカラーコピーができるので、学校の図書館と公共図書館のコピーできる枚数の制限を考えながら、使い分けています。
糠山弘一さん(ぬかやま・こういち)
大学:ワシントン大学シアトル校
節約のコツは、ルームシェアすること、バスを利用すること、外食をなるべくしないことです。
住居費に関しては、Craigslist(クレイグスリスト)で見つけた安いアパートを友達とシェアしています。1ベッドルームのため、僕はリビングルームで寝泊まりしています。基本的に学校にいることが多く、家でやることは勉強ぐらいですので、不便に感じていません。
交通費に関しては、できる限りバスや徒歩で移動するようにしています。近所にスーパーマーケットや飲食店が充実しているので、最低限のことは自宅周辺で済ませることができます。
ワシントン大学の学生証は交通ICカード(U-PASS:ユーパス)としても使えるため、バス代が大きな負担になることはありません。というのも、学期ごとに支払う授業料の80ドル分に交通費が含まれているので、学期中は好きなだけバスを利用することができます。次の学期に受講するクラスを登録すれば、春休みや冬休み中も、学校が始まる1週間前から学生証でバスに乗ることができます。
留学生の場合、学内でのアルバイトや、卒業後1年間アメリカで働くことができるプラクティカル・トレーニング(OPT)を利用して収入を得ることができます。
ワシントン大学に編入する前に通っていたハイライン・カレッジでは、日本語とスペイン語のチュータリングをしていました。ハイライン・カレッジを卒業後、OPTで約8ヶ月間、日本料理店で働きました。
これからシアトルに来る留学生には、住居を探す時はクレイグスリストを利用することをお勧めします。地元の人が知っているような情報がたくさん載っている上に、安い物件を探すことができ、学校の住宅情報ではカバーしきれないような情報を見つけることができます。住む場所を決めるコツは、交通費や時間を節約するためにも、学校に近いところを探すことです。
秋は雨がよく降るので、夏とは打って変わってインドアのアクティビティが活発になります。僕のお勧めはアイススケートです。運動不足になりがちな季節ですが、近場で手軽に体を動かして楽しめます。
山崎ななさん(やまざき・なな)
大学:シアトル・セントラル・カレッジ
私が住んでいるアパートは、以前に住んでいた友達の紹介で入居しました。建物自体が古く、家賃がとても安いと聞いていたので少し不安でしたが、実際に見てみると十分に広くて綺麗だったので安心しました。また、バス停やストリートカー乗り場に近く、交通の便も非常に良かったので、すぐに住むことに決めました。
私が住んでいるダウンタウン付近のスーパーマーケットは、商品の値段が高かったりするので、月に1回、カーシェアリングのZipCar(ジップカー)を借りて郊外へ大きな買い物をしに出かけます。Hマートに行くと日本の商品を安く買うことができ、コストコだと大量の商品を安い価格で買えます。
1ヶ月間で自分が使っていい金額を決めて、その中で生活費をやりくりしています。そこから食費を引いて、残りのお金は自分の欲しいものや旅行に使います。
これからシアトルに来る留学生へのアドバイスは、お金の感覚が日本にいた時と大きく異なるので注意が必要だということです。両親も私自身も、留学にどのくらいお金がかかるのか見当もつきませんでした。渡米して、クレジットカードを持つことに慣れないまま、授業料を自分で払い、さらには家賃、食費、保険料など、たくさん使いすぎてしまい、最初は自分がどれくらいのお金を使っているか把握しきれず、思っていたよりもはるかにお金がかかりました。
また、留学生活に慣れてきてからも、生活環境の変化に対応していけるようにすることが大切です。安く住めるアパートに引っ越すと、自分でWi-Fi環境を整えたり、住宅保険に入ったり、自炊をしたりと、どんどんライフスタイルが変わっていきます。自分ですべて決める必要があるので、自然と生活力もついてきます。
秋はシアトルで楽しめるイベントが盛りだくさんです。ハロウィンの楽しみ方は、日本とは大きく異なります。以前、ハロウィン当日に仮装してダウンタウンへ行ったところ、仮装していた人はほとんどいませんでした(笑)。21歳以上なら、クラブなどのイベントでハロウィンの仮装パーティーを楽しんでみてください。
電化製品を買う場合はブラック・フライデー(感謝祭の祝日の翌日)、洋服などの買い物はクリスマス、ニュー・イヤー直後のセールが一番効率よく、安く買い物できます。ブラック・フライデーの夜に、ダウンタウン・シアトルでクリスマス・ツリーの点灯式が催されます。花火も上がって、とても楽しいですよ。クリスマスの季節は、街のあちこちにあるきれいなイルミネーションを見に行きます。
宮西一馬さん(みやにし・かずま)
大学:ハイライン・カレッジ
ハイライン・カレッジが運営している寮の一つで、友達と部屋をシェアして節約しています。学校から徒歩圏内の距離に住むと、バス代が毎日かからないので、交通費は大きな負担になりません。
以前に住んでいた寮は、学校から徒歩15分ほどのところにありましたが、ホテル形式で、ベッドメイキングや部屋の掃除が週1回あり、朝食付き。トイレットペーパーなどの生活用品は寮が提供してくれるので、そこでも節約できました。共用のキッチンで、よく料理もしていましたね。
食費を節約するために外食を控えて、ルームメイトと家事を分担しています。光熱費や水道代は家賃に含まれているので、そこは寮のいいところだと思います。
学費は、単位数によって変わるので、卒業するために必要な授業を最短最安で取れるよう、学校のアドバイザーと相談しながら決めています。教科書は、学校の図書館から中古を買ったりレンタルしています。
秋のハイライン・カレッジでの最大イベントはハロウィン・パーティです。学校のカフェテリアがハロウィン一色になり、友達と仮装して参加すると楽しさ倍増です!
掲載:2017年11月 取材・執筆:田部井愛理