では、筆者の家を参考に、具体的に評価額の歴史的推移を見てみよう。1923年築、地下室付一階建の3LDKのこの住宅は、1999年の購入当時、土地と建物の評価額がほぼ同額だった(写真2)。そして、2年後に2階の増築及び1階、地下室の改築を行い、その結果、2階には1階と同じ面積分にベッドルーム4室、バスルーム2室、ウォークイン・クローゼットができた。そして、1階は既存のリビングルームとダイニングルームとベッドルームをそのまま残し、既存キッチンの拡張、ファミリールームの新設、地下室のユーティリティ・スペースのレクリエーションルームへの改装が完成した(写真3)。増改築にかかった費用は1999年当時の土地、建物評価額合計とほぼ同額だったため、その次の年の評価額査定時、建物の評価額が土地評価額の約3倍になった。その後、2008年に起きたリーマンショックの不動産価格暴落によって価格が一時的に下がったが、2014年現在で建物の評価額は増改築直後の価格の約1割増し、土地の評価額は3割増し、建物、土地総合評価額で約2割増しになっている。