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第5回 同性カップルのオリジナル・ウェディングをプロデュース

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KOKO Bridal

筆者プロフィール:ネルソン紀世子
東京出身。高校時代のイギリス短期留学で世界の広さ・楽しさを知り、日本の大学を卒業後、ワシントン州の大学で国際ビジネスを学ぶ。卒業後は外資系航空会社での乗務員としての勤務を経て、航空機器関連の日系企業でプログラム・マネジメントに従事。2011年に KOKO BRIDAL を起業。米国ブライダルコンサルタント協会&国際特別イベント協会のメンバー。一児の母でもある。公式サイトはこちら

男性同士、女性同士の結婚合法化の可能性は話題にもならないのが現状の日本ですが、日本の同性愛者の人口は、一般の皆さんが思っている以上に多いよういです。例えば、日本の Social Media Mixi で一番人気のあるゲイ・コミュニティには7千人のメンバーがいらっしゃいますし、東京在住時代にモデルや芸能人、芸術関係者が主催したパーティに参加しても大半の男性が同性愛者で、がっかりしたことが何度かありました(笑)。

KOKO Bridal

©Rick Takagi

でも、アメリカ人と日本人の友人でゲイのカップルで、日本人の男の子が「やはり自分の家族には本当のことを言えない」と悩んだ末に別れてしまったりするのを見、さまざまなマスメディアのニュースを読むにつけ、「同性だろうが異性だろうが、好きあっている人たちの関係に何故、関係のない第三者が口を出さなければいけないのだろう」と、不思議に思います。日本に住んでいた時に勤務していた外資系航空会社では、社員の一般的な待遇条件エアライン・ベネフィット でも、合法的に結婚しているかどうかに関わらず、ドメスティック・パートナーとして正式に申請すれば社員のパートナーという立場になるという制度がありましたが、一般の日本企業の現状はどうなのでしょう。日本のさまざまなウェディング業界誌を見ても、同性結婚の話題はやはり無に等しいのが現状のようです。私は日本から米国に移って13年たつので、日本の同性結婚に対する考えや社会的な現状については疎いかもしれませんが、日本の同性愛者はまだまだ難しい環境の中にいらっしゃるのではないかと感じています。

そんなわけで、2012年12月に米国ワシントン州でも同性結婚が合法化された時、心から嬉しく思う一方、日本が同性結婚を合法化するにはどのぐらい時間がかかるのだろうと考えました。それから約6ヵ月後の今年6月、結婚を異性間のものに限定する Defense of Marriage Act(DOMA)という連邦法の第3条を連邦最高裁判所が違憲とする判決を出したことで、同性婚のカップルにも永住権(グリーンカード)が発行されることになりました。これからさまざまな優遇措置にも変化が生じていくと思いますが、合法的に結婚式を行い、温かく見守ってくれた家族に祝福されるのは、やはり素晴らしい展開だと思います。

KOKO Bridal

©Rick Takagi

これに伴い、KOKOBRIDAL でも、旅行会社 HIS、そしてシアトル・マリナーズにご協力いただき、マリナーズの本拠地セーフコ・フィールドで挙式するオリジナル商品をご提供できるようになりました。当初、同性結婚のセレモニーをプロデュースするにあたり、牧師や教会から「信仰にあわない」と断られたことも何度かあり、正直びっくりしました。でも、それは少数グループ。大半の方々は異性結婚と同じく歓迎してくれます。政府発行の結婚照明書が取得できるということは、私の友人たちの経験や、日本の現状を考えても、日本在住の同性カップルにとっては特別で、嬉しいことなのではないでしょうか。

KOKO Bridal

©Rick Takagi

起業してから3年、たくさんの幸せなカップルの笑顔を拝見してきました。異性、同性、国際結婚、2度目または3度目の結婚など、どんな過去があっても、幸せな笑顔はとっても素敵です。ワイン好きのお二人にはワイナリー、野球好きな方にはセーフコ・フィールドなど、お二人のご希望を伺い、オリジナルのウェディングを実現できることを、もっともっと、日本の皆さんに知っていただければと思っています。

「自分以外の人の幸せを幸せだと思えなくなったら自己チェックが必要」といつも思っている私。結婚式だけでなく、ビジネス・イベントでも皆さんの嬉しそうな笑顔からプラスのエネルギーを感じ、無事に自分の仕事をやり遂げた嬉しさと、一人の人間としての感謝の気持ちで一杯になります。 国際結婚、同性結婚、異性結婚。どんな結婚であれど、幸せなものは幸せですよね。愛情にあふれた素敵な一日を皆さんに喜んでいただけるよう、私もしっかりお仕事させていただきます。

KOKO Bridal

©Rick Takagi

日本に住んでいる同性のカップルの皆さん!まだまだコンサバな日本から10時間ほどのフライトでシアトルへお越しになって、素敵なオリジナル・ウェディングをしてみてはいかがですか?お待ちしております。 

(掲載:2013年10月)

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