自分が描いた人生を自分の力で切り開いていく
2006年、起業するために退職を決意した。最初は、仕事の経験を生かしたオンライン金融事業の立ち上げ、そこから現職のペットフード輸入・販売業に、どのようにたどり着いたのか。
会社員時代から「いつかは起業しよう」と考えていました。退職後、友人と共にオンライン事業を始めようと出資を募り、金融事業者としての登録も済ませてスタートしたものの、徐々に市場が不安定になっていきました。2008年9月に起きた「リーマンショック」の前触れだったのです。幸いにも私たちは市場の動きを察知して、事業を拡大する前の同年7月に売却できたので、最悪の事態は免れることができました。
その後、知人の誘いでコンサルティング会社に入社し、1年ほど勤務しましたが、その間も起業の夢は捨てず、ビジネスを通してできた友人たちと月に1度集まり、情報交換会を開いていました。あるとき、ひとりが「知り合いのニュージーランドの投資家が、日本での事業パートナーを探している」との情報を持ってきました。ニュージーランドのペットフード会社が、日本で製品を販売したがっているというのです。興味を持った私はその人物を紹介してもらい、実際に会って話をしたうえで、1年間の契約でしたが日本で輸入・販売するため株式会社を設立しました。
当初、会社を辞めて再び起業に身を投じることに、妻はすぐには首を縦に振りませんでした。「またリスクを取るの?」というのです。不安になるのは理解できました。しかし、たとえ会社勤務を続けたとしても業績次第で解雇されるかもしれず、一生安定した暮らしが保障されているわけではありません。起業は確かにリスクが伴いますが、自分が描いた人生を自分の力で切り開いていくチャンスを手にできます。なによりも、私が今手掛けている「K9ナチュラル」のドッグフード・キャットフードの素晴らしさにほれ込み、自分の手で日本での販売を拡大したいという強い思いがありました。