翔華・ラデンさん
茨城県出身。和裁の職業訓練校を卒業後、呉服店に就職し着物コーディネーターとして勤務。アメリカ人の夫の転職を機にシアトルに移住後、Kimono Art で着物スタイリストとして活動中。2児の母。
私が着物と出会ったのは高校卒業してからになります。進路に迷っていた私は先生の勧めで企業の合同説明会に参加し、その時に和裁の職業訓練校と出会いました。話を聞くうちにどんどん興味が沸き、家に帰って「ここに入りたい!」と両親に話したことを今でも覚えています。
ですが、着物も七五三の時に着たことがあったぐらいの素人で、「和裁」という言葉もその日に知ったくらいです。周りからもとても驚かれました。
入学後、まずは着物の衿や袖といった名称を覚えることから始まり、運針の練習をしながら自分の肌着を縫いました。ただ縫うことを覚えるのではなく、着物の歴史、染色、織、着付け、お茶や美容の授業を受けていくうちに、今まで興味がなかった着物が好きになっていました。
卒業後、授業で大好きになった着付けの道に進みたくなり、地元の歴史ある呉服店に就職しました。販売員、着物コーディネーターとして働き始め、私の20代は着物一色。そんな時、アメリカ人の男性と出会い、結婚し、アメリカに引越してきました。
そして、友人に誘われて行ったベルビュー・カレッジの秋祭りで着付けの実演をしている人を見つけ、「これだ!」と思い、声をかけさせていただいたのが、着物の着付けや写真撮影をしている Kimono Art の香山真理子さんでした。この出会いのおかげで、私はシアトルでも着物に関わることができています。
アメリカだと、着物を着ているだけで注目を集めますし、会場が華やかになりますよね!それは、古着の着物でも、洗える着物でも、高価な絹の着物でも同じです。
シアトルには着物を着て行ける場所は無限にあります。特に観光名所のパイク・プレース・マーケットでも着物は写真映えしますし、着物を着ているだけで気分がまったく変わりますよ。
アジア関係のイベント以外では、シアトルで開催されるコミック・コンベンションや、ゲームのイベントなども着物を着て参加するとさらに楽しいです。クラフトフェアやアートフェアなども着物で行ってみたいですね。
雨が多いシアトルで着物を着るのは心配になるかもしれませんが、今は自宅で洗える着物が手に入りやすく、値段もリーズナブルで、デザインも豊富です。私は雨の日でも気軽に着ますし、万が一汚しても洗えるので、日本で働いてる時からよく着ていました。今は2人のやんちゃな男の子の子育て中ですが、着物でも問題ありません。
また、よく心配されるお着物のお手入れなのですが、シアトルは湿気が少ないのでそんなに心配はしていません。汚さないように気を付けることは必要なので、着物を着ると普段はガサツな私でも、とても丁寧になり、動きや仕草がきれいになる気がします。
着物のコーディネートは無限です。半衿や帯あげなどの小物はJoann などのクラフトストアで揃えコーディネートして楽しんでいます。季節に合わせてハロウィンやクリスマスコーディネートにしたりすると、周りの人たちも見て楽しめますね。みんなで着物を楽しみましょう!
文・写真:翔華・ラデンさん