みなさん、こんにちは。 以前にベルビュー・カレッジに在籍していた水野幸美(みずの・ゆきみ)です。ベルビュー・カレッジからワシントン大学ボセル校(University of Washington Bothell)に編入しました。ワシントン大学(UW)と言えば、シアトル校の印象が強いと思いますが、ボセル校もタコマ校もあります。この記事が留学や編入の参考になれば嬉しいです。
自己紹介
名前 | 水野幸美 |
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出身 | 大阪府 |
専攻 | Society, Ethics and Human Behavior (Minor: Diversity studies) |
経歴 | 2012年2月に渡米。2014年に Bellevue College を卒業後、UW Bothellに3年次編入。2016年6月卒業予定。 |
留学の目的 | 多様性のある環境で勉強をしたかったため。多文化共生に関心があり、人種、宗教、文化の多様なアメリカ社会でしか学べないことがあると思い、進学を決めました。 |
学校を選んだ理由 | 学校の規模、少人数制のクラス |
学校について
学生の数はどのくらい?日本人の数は?
現在約5,000人。学校がどんどん拡張され、学生の数も年々増えています。
正確な人数はわかりませんが、日本人の学生も20~30人ほどいて、その大半は短期留学生ではなく、正規留学生です。他の国の留学生に比べると、日本人の数はとても少ないと思います。
学費はどのくらい?
ワシントン大学ボセル校はクォーター制で、1年に4学期あります。
Resident:1学期(15単位)3,919ドル
Non-resident:1学期(15単位)11,381ドル (留学生はこちらの費用になります)
※2015-2016年度
どんな大学?校舎の雰囲気は?
ワシントン大学ボセル校はレイク・ワシントンの北東にあるボセル市に1990年に設立されたばかりです。ボセルのダウンタウンまで歩いていける距離にあり、年々拡張していますが、ワシントン大学シアトル校よりもはるかに小さく、総合大学というよりはコミュニティ・カレッジに近い雰囲気かもしれません。実際に、Cascadia Community College も併設されており、図書館やカフェテリアは全て共有となっています。
授業は30~45人規模のクラスがほとんどで、教授と近い距離で勉強することができます。校舎はとても綺麗で清潔感があります。キャンパスが小さいので、授業間の移動も楽です。
他の学校との大きな違いは?
総合大学にもかかわらず、小規模なところが一番大きな違いだと思います。私の学部(Interdisciplinary Arts and Science)では、最大でも45人規模のクラスなので、ティーチング・アシスタント(TA)が存在しません。全てを直接教授から学ぶことができるので、教授との距離が近くなりやすいです。
新しい大学なので、クラブや学生団体はまだまだ少なく、キャンパスでのアクティビティもありますが、シアトル校などのマンモス校のようなダイナミックな雰囲気はありません。でも、その分、とても落ち着いたキャンパスライフを過ごすことができます。
また、2014年度の Money Magazine の大学ランキングで、価値と質においてワシントン州内で1位に選ばれました。小さい大学だからこそ、価値を最大化しやすいのかもしれません。
生徒の雰囲気は?
ワシントン大学ボセル校は、典型的な大学生でない学生が多いです。大学生と言うと、一般的には18~22歳ですが、ワシントン大学ボセル校には大学をやり直している人、退役軍人、シングルマザーなど、多様なバックグラウンドの人たちが多いです。有色人種、イスラム教徒、ファースト・ジェネレーション(家族内で初めて大学に進学した学生)などのマイノリティの学生も多いです。学生に多様性が多いほど、それぞれの違いから学ぶことが多くあり、授業でのディスカッションを通して、新しい観点を学ぶことが多いです。
どんな設備があるの?
図書館、ジム、カフェなど。また校内に学生センターやコミュニティ・ガーデンなどがあります。
日本人コミュニティはあるの?
Japanese Student Association があります。頻繁にイベントを企画しており、キャンパスでの存在感がとても強いです。日本文化には根強い人気があるので、日本人以外の学生も多く参加している印象です。
企業との接点、インターンシップなどの機会を学校は提供している?
毎学期、企業や団体を招いてインターンシップ説明会を行っています。キャリア・センターでは、インターンシップの見つけ方、レジュメの書き方、面接の練習などの機会を提供しており、学生へのサポートが充実しています。
住居について
寮の特徴は?
学校が小さいので、寮も小さいです。キャンパスの横に学校が所有するアパートがあり、そこが学生寮として使用されています。シングルルームとシェアルームの選択ができます。また、寮に住んでいる学生同士の交流会が盛んで、友達を作りやすい環境になっています。
生活について
交通
車があると一番便利ですが、もちろん無くても生活はできます。私はバスの便がいいところに住んでいるので、あまり不便を感じません。また、ワシントン大学の学生パスを購入すると、学期中はバスに乗り放題です。ボセルからダウンタウン・シアトルまではバス一本で1時間弱。
携帯電話はどうしてる?
T-mobile のプリペイド契約をしています。月50ドルで1G のデータ通信、電話とテキストは無制限。友人数人と家族プランに入ると、もっと安くなります。アメリカは Wi-Fi が充実しているので、YouTube などの動画を見ない限り、1G でも十分生活できます。
おすすめの観光地や休日の過ごし方
春〜夏に限られますが、自然を楽しむアウトドアがおすすめです。森、川、海、湖などワシントン州は自然が豊かなので、山登り、ハイキング、カヌー、バーベーキューなど、さまざまなアクティビティができます。おいしい個人経営のカフェも多いので、カフェでゆっくり読書なども楽しいです。
留学・英語について
留学のタイミングは?
行きたい!と感じた自分の心に従うのが一番だと思います。一人ひとりタイミングが違うので、「留学はこの時期にするべきだ」という一つの答えはありません。なんとなく、行きたい気持ちを持った時に、なぜ行きたいのか、何を学びたいのか、留学先でどんな自分でありたいか、などを深く堀り下げて考えることが大切です。留学先で生活している自分の姿をはっきりイメージできたら、その時が留学するタイミングだと思います。
どういった事前準備をするといい?
それぞれ目的や目標が異なると思いますが、ここではアメリカの大学で学位を取ることを目的とした場合で話します。
私がもっとやっておけばよかったなと思うのが、英語での読書です。やはり教科書や文献を読むスピードが遅いと、課題をするのにも時間がかかります。小説でもいいので、「英語を読む」ことに慣れていることはすごく大事だと思います。
完璧に事前準備をすることはできないので、いろいろな留学経験者の声を参考にして、自分に特に必要であるものを選んで準備すると効率的です。例えば、事前に TOEFL などを受けてみて、自分の苦手な分野がライティングなのであれば、そこを重点的に勉強するなど。得意なものは勝手に上達するので、放っておいても大丈夫です。
この記事を読んでくれている人の中には、「自分はまだ留学にいけるレベルじゃない」と尻込みしている人もいるかもしれません。ですが、現地に飛び込んで学ぶことのほうが多いので、あまり事前準備を真剣に捉えなくても大丈夫だと思います。
留学生活はどんな感じ?
留学生活といっても、一人ひとりの生活は違うと思います。私は現時点で3年半アメリカにいるので、短期滞在しているというよりも、生活している感覚です。
なので、常に何かを得ようとアンテナを張っているわけでもなく、何ヶ月かは学校と家の往復の時期もあれば、団体を運営して活発に動いている時期もありました。そういう意味では日本の大学生と何も変わらない生活だと思います。
編入してからの1年間は、インターンシップ中心の生活でした。学校でのクラブ活動やイベントには全く参加していませんでしたが、インターンシップ先の NPO 法人 iLEAP のおかげで、とても充実した留学生活を送ることができました。やりたいことに手を出してみたことで、英語を勉強する、大学で授業を受ける、ホストファミリーと交流するだけだった留学のイメージとは違った経験ができました。