こんにちは。Bellingham(以下ベリンハム)にある Western Washington University(WWU)を2014年6月に卒業した小野奈那です。ベリンハムはシアトルから約90分、カナダのバンクーバー BC から約80分のところにある、アメリカでは比較的治安がよいと評判の街です。
私の経験から WWU やベリンハムでの留学について少し紹介したいと思います。留学を考えている方や留学準備をしている方のお役に立てれば嬉しいです。
自己紹介
名前 | 小野奈那 |
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出身 | 北海道 |
専攻 | Communication Studies (副専攻:TESOL – Teaching English to Speakers of Other Languages) |
経歴 | 2010年6月に渡米。2012年に Whatocom Community College(WCC、付属 ESLA のあるベリンハムの2年制大学) を卒業後、WWU に編入し、2014年6月に卒業。その後、OPT を利用し、シアトルで仕事を開始(2014年7月現在)。 |
留学の目的 | 英語を勉強したかったため。アメリカの大学に行こうと決めて出願したのは高校3年生の9月ごろでした。それでもホストファミリーが決まったのが出発の2週間前、授業登録は着いてからなど、日本のシステムとはかけ離れたシステムに戸惑いました。最初は4年制大学に行くことをあまり考えていなかったのですが、コミュニケーションをもっと勉強したいという思いから、編入することを決めました。 |
学校を選んだ理由 | 治安の良さ、バンクーバー BC とシアトルに近い、自然が多い |
学校について
学生の数はどのくらい?日本人の数は?
2014年春学期時点の学生数は14,950人で、日本人は約10~20人ほど。日本の短期留学生が多い時期もありますが、ESL のクラスでは日本人が1人いるかいないか、という感じです。一歩 ESL の外に出てレギュラーのクラスを取ると、日本人を含めた留学生に会うことがあまりありませんでした。
学費はどのくらい?
WWU はクォーター制で1年に4学期あります。
ESL:1学期につき2,920ドル
大学(academic):1学期につき6,131ドル(夏は1クレジットにつき250ドル)
※2014年春学期時点
語学学校(ESL)について
WWU の Intensive English Program(IEP)というプログラムには、付属の ESL クラスがあります。TOEFL のスコアが足りない学生も、この ESL から始めて WWU に入学することが可能です。IEP の ESL では、文法・スピーキング/リスニング・ライティング/リーディングの3つのクラスとサポート・クラスがあります。一部のクラスでは、WWU の学生がボランティアでサポートしてくれます。IEP のオフィスでは、授業登録、ハウジング、ビザの更新などを手伝ってくれます。IEP を終えると、別のアドバイザーがビザの更新、OPT(Optional Practical Training)のアドバイス等もしてくれます。
語学学校と大学の違いは?
ESL ではいろんな目的を持った学生がいます。英語を勉強しに来た学生や大学・大学院に行くための準備として英語を学びにきた学生もいます。2014年4月の時点で、WWU の IEP では日本人が1人のみで、サウジアラビアからの学生が半分以上を占めていました。なのでクラスメートとも英語でのやりとりが必要になります。IEP では、大学の授業で必要になってくる citation の仕方なども教えてくれます。サポート・クラスというのも、Pronunciation や Experience などいくつかあります。
大学の授業は、英語を使ってさまざまな教科を勉強することになります。つまり、英語を理解するのはもちろん、その教科の内容を理解しなければなりません。IEP は大学の授業に備えて勉強できるので、しっかり準備しておけば大丈夫だと思います。私も最初は不安でしたが、できないのではなく、時間がかかるのだと気づきました。もちろん努力は必要ですが、時間がたてば意外となんとかなります!
学校主催のイベントはある?
IEP にはいくつか常時イベントがあります。そして、大学でもいろいろなイベントに参加できます。寮に住んでいる学生が多いので、キャンパス内でも毎週何かイベントがあります。映画鑑賞、ポットラック、ダンス・パーティー、コンサート、スピーチ、キャリア・フォーラム、スポーツ観戦、ベイク・セール等。キャンパスにはプール付きのジムもあります。大学の授業料にはジムの使用料が含まれているので、お金を払う必要はありません。WWU のキャンパス内には、郵便局、食堂、カフェ、ジム、本屋さん、図書館、スターバックスなど軽食が食べられるところが揃っています。
住居について
住居のオプションとその相場・特徴は?
WWU ではホームステイのサービスはありません。ホームステイをしたいという学生には、ホームステイの会社を案内してくれますが、ほとんどの生徒は寮かアパートに住んでいます。
寮
留学生に人気があるのが、一番経済的なアパートメント形式の寮です。2 bedroom/1 bathroom/shared with 4 studentsの場合、1学期で約1000ドルです。月に換算すると約330ドルで、インターネットやガス・水道・電気代も含まれています。大学には食べ放題のダイニングがあり、meal plan を事前に買うことも可能です。寮によっては meal plan を買うことが義務付けられている場合もあります。
アパート
大学の周りにはアパートや貸家をシェアして住んでいる学生がたくさんいます。本当にたくさんのアパートがあるので、一概にこれがおすすめとは言えませんが、Craigslist Bellingham で検索するとたくさん出てきます。実際に私が在学中住んでいたアパートはこのサイトで見つけました。Studio から 5 bedrooms の貸家までいろいろあります。アパートは基本的にインターネットやガス・水道・電気代が含まれていません。家具もついていませんが、たいていの場合、冷蔵庫とオーブン、そして電子レンジがついています。日本と同じで6ヶ月か1年からの契約が基本ですが、時によってはサブレットと言って、短期間アパートの又貸しをしている人もいます。特に夏の間は学生が休みをとることが多いので見つけやすいと思います。家具などもそのまま付いている場合が多いので、短期で滞在する場合はこのオプションもありかなと思います。
ルームシェア/ルームメイト
アパートを借りる場合、一番経済的なのがルームシェアをして住むことです。中には 2 bedroom/2 bathroom のアパートもあり、2人でシェアしてだいたい1人400-600ドルくらいです。シェアするのがキッチンだけなので、自分のバスルームが欲しい人はそういうアパートもいいと思います。ルームメイトと住むのは楽しいこともありますが、トラブルが発生することもあります。そのようなことを避けるためにも、自分たちでルールを最初にしっかり決めておくのがいいかと思います。
ベリンハムについて
べリンハムはアメリカの中でもとても治安が良いと言われています。ですがやはりここもアメリカですので、夜の外出は必要のないときは避けた方が良いとも言われます。ベリンハムはバスでたいていの場所に行けるので、日本ほどではありませんが、アメリカの他の地域と比べると便利です。モール、公園、アジアン・マーケット、銀行、映画館、ダウンタウン、郵便局、スーパーなどすべてバスで行けます。WWU の授業料には Bus Pass といってベリンハム一帯で使えるバスの定期カードが含まれていて、Student ID カードに入っています。
個人的にベリンハムについて気に入ってることのひとつが、シアトルからもバンクーバー BC からも近いということです。ベリンハムから出ているバスがいくつかありますが、一番安いのが Bolt Bus という会社のバスです。バンクーバーだと往復12-20ドル、シアトルでも14-25ドルくらいで行けます。他のバスは出発地点がバス停から遠いことが多いのですが、このバスだと Cordata Station という、ふだんもよく使うモールの近くのバス停が出発地点なので、なにかと便利です。
ベリンハムでは基本的に春夏秋冬があります。夏以外の季節はとにかく雨が多いです。雪はめったに降りません。勉強するにはうってつけの天気ですね!(笑)ですが憂鬱になりやすい気候でもあるので、冬はビタミンDのサプリを飲んでいました。
春から夏にかけては、とても過ごしやすいです。夏だと夜の9時頃まで明るい時もあります。湿気があまりなく、日本のじめじめした感じがありません。気温も寒すぎず熱すぎず、適度に暖かいです。天気が良い時は海沿いの公園からの夕焼けがとても綺麗です。公園にはカフェもあって、時にはそこで海と夕やけを眺めながら勉強します。
生活について
買い物
WWU のキャンパス周辺で言うと、Haggan というスーパーが Sehome Village というモール内にあります。そこにはレストラン、銀行、スターバックスや Dollar Tree(日本で言う100均)もあります。ただし、100均については売っているものもクォリティも大分違うので、あまり期待しないほうがいいかもしれません。すべて WWU のキャンパスから徒歩15分内なので便利です。
日本食
ベリンハムにはいつくか日本食が食べられるレストランがいくつかあります。Little Tokyo というお店は、メニューはすべて日本食!お寿司から、揚げ物、お蕎麦、定食などおいしい料理がたくさんあります!さらに、ベリンハム・ダウンタウン近くには回転ずしの Kurukuru というレストランがあります!どちらかというと、カリフォルニア・ロールなどのほうが多く回っています。アジアン・マーケットという小さなアジアの食べ物や食材を売っているお店もあります。私の一番好きな日本食のお店はダウンタウンの Wasabi という日本人経営のお寿司屋さんです。他にもたくさん日本食レストランはありますが、ここが唯一、日本人経営のお店だと思います。他のお店もおいしいのですが、やはり一番日本の味だな、と思うのが Wasabi です。アメリカ的なロールも多いですが、お寿司やお味噌汁もあります。少し遠出してシアトルやバンクーバーに行くと、どこで食べようあと迷ってしまうほどいろいろな日本食があります。
アクティビティ
大自然のなかにあるベリンハムでは、いろんなアクティビティを楽しむことができます。夏にはバーベキュー、キャンプ、ハイキング、カヤック、カヌーなど。冬には車で1時間半のマウント・ベイカーという山でスキー/スノーボードができます(11月終わりから3月終わり頃まで)。室内だと、ボーリングやアイス・スケーティングやロック・クライミングもできます。バスで WWU から30分くらいの所でカヤックが借りられ、WWU または WCC の生徒だと3ドルなので、毎年夏には何回か行きます。カヌーも同じくらいの値段です。
携帯事情
多くの留学生は Android、もしくは iPhone などのスマートフォンを持っています。そしてプリペイド式の携帯を持ってる留学生もいます。携帯会社については、一番人気は Verizon か AT&T です。ほかにも T-mobile や Sprint という会社もあります。
私はプリペイドの携帯を使っているのですが、月の料金が25ドルです。プランは AT&T のテキストし放題+電話250分無料です。アメリカでは、プリペイドでもいくつかプランがあって選べます。オンラインでアカウントを管理して、料金引き落としの設定もできるので、プリペイドではないものと、払うタイミングくらいしか変わりません。私の友人が iPhone を使っているのですが、契約した時のままのプリペイドではないプランとプリペイドのプランを比べたところ、内容は全く同じなのですが、月20ドルも差がありました。プランはテキストし放題+電話250分無料+データ2GBです。電話もデータも十分あり、使い切ることはないと言っていました。ただし、本体を2年契約で買ってまだその契約が残っている場合は適用できないかもしれません。本体のみを単体で買った場合、プリペイドで使えます。
特に WWU の近く、もしくは寮に住んでいると、その周辺でインターネットにアクセスでき、ほとんどの用事が近場で住んでしまうので、私のようにデータがないプランでも、正直あまり困りません。友達と出かけるときもあまり携帯を使わないので、持っていてもあまり使わないかもしれません。それに、たいていアメリカのカフェやレストランではインターネットにアクセスできます。運転して遠出をすることがあまりない場合、iPad/iPod、日本のスマートフォンと分けて使えば、インターネットには不自由しないかと思います。私はインターネットは iPad か日本の iPhone、電話やメールはアメリカのケータイを使っています。
車と保険
車社会のアメリカでは車がある方が便利です。地域によっては、1時間に1本しかバスもがないこともあります。アパートの欄でも紹介しましたが、Craigslist Bellingham では中古の車も買えます。交渉の際には誰かある程度車に詳しい人に付き添ってもらうといいかもしれません。アメリカには車検がないので、コンディションも車のオーナーによって異なります。ちなみにリースなら契約を引続ぐこともできます。1年程度の契約引き継ぎで比較的新しい車が使えます。保険や修理や後で売ることを考えると、taking over lease(契約引き継ぎ)もありかと思います。
運転免許取得は筆記(パソコン)と実技があります。ここでは免許を取るために学校に行かないといけないということはありません。友達に教えてもらう人もいます。筆記は Driver’s Licence Office でルールの載っている本を借り、勉強します。そしてテストを受けるアポイントメントの日にちを決めてテストを受けます。私が2012年にとった時は筆記と実技含めて60ドルくらいでした。
車の保険会社は、アメリカでは有名な GEICO という保険会社で契約する人が多いようです。私の友達は E-surance という保険に入っています。
そして WWU のすぐそばには Zipcar もあります。Zipcar とは1時間単位でレンタルできるレンタカーです。一度登録すると、携帯電話と会員証さえあれば簡単に車が借りられます。Enterprise のような通常のレンタカー会社と比べて良いところは、ガス代と保険代がすでにレンタル料金に含まれていることです。ちなみに、シアトルや他の大学がある都市でも Zipcar はあります。
留学をした間、「帰りたい」と何度も思いましたが、不思議なことに「来なければよかった」とは一度も思いませんでした。やはり一緒に支えあった友達がいたのは大きいと思います。当初に比べてアメリカでできるようになったことが増えたことも自分の自信につながったと思います。何事に対してもできないのではなくて時間がかかるんだと思うようにもなりました。目標と「がんばろう」という気持ちがあれば、時間はかかるかるかもしれませんがなんとかなります!
このベリンハム/WWU についての記事が、皆さんが留学する際、役に立つと嬉しいです。
協力:NextSense