澤野井 和輝(さわのい・かずき)さん
【ボランティア先】 Bellevue Thunderbird Little League
【ボランティアの内容】 野球のコーチ
【公式サイト】 www.bellevuethunderbird.com
このボランティアをするようになったきっかけ
もともと自分が子供のころに少年野球をやっていて好きだったので、自分の息子が4歳になったころから公園で野球をして遊んでいました。それからプレイデートで草野球をするようになり、他の子供たちにも野球を教えるようになりました。その延長で、子供が6歳くらいの時に Thunderbird Little League で野球を始めた時にコーチを募集していたので、ボランティアをすることにしました。
ボランティアの内容
日本のリトルリーグは一年中同じチームでプレーしますが、アメリカのリトルリーグはシーズン制で、だいたい3月から6月までです。Bellevue Thunderbird の場合は3月から練習が始まり、4、5月にレギュラー・シーズンの試合があり、その後にトーナメントがあります。
各チームには、監督とアシスタントコーチが1,2名いて、すべて親のボランティアです。監督は、野球の指導、チームへの連絡や道具の管理、その他にスコアラーやスナック当番などの親のボランティアの手配などをします。Thunderbird はよく組織されていて、シーズンの初めにコーチのためのトレーニングもあります。一番下の年齢は5、6歳で、Tボールといって、ホームプレート上に立てた棒の上に置いたボールを打つことから始めます。女の子にはソフトボールもあります。
リトルリーグというと7月にテレビで放映されるリトルリーグ・ワールドシリーズを思い浮かべる方も多いかと思いますが、あれは、各リーグがシーズンの終わりに上手な選手を集めて作った選抜チームです。9歳くらいまでは、レギュラー・シーズンに野球はまったく初めてプレーするという子供もいて、選手の技術レベルにかなり幅があります。
一回の練習はだいたい1時間半から2時間くらいで、3月は週に2、3回あります。4月からはそれがすべて試合になり、練習はあまりありません。
親子で一緒に楽しめ、友達作りや社会性を養うチャンス
我が家はみんな野球が好きなので、親子で一緒に楽しめるのがいいです。
現在10歳の息子は一人っ子なので、家では大人とのやり取りしかありませんが、野球は学校の枠を越えて友達を作ったり、規律を守る社会性を身につけたりする機会にもなっていると思います。私は自分が子供と一緒になって遊んでいる部分もあるのですが、子供達が練習を通じて野球が上達しているのを見ると、やっていてよかったな、と嬉しくなります。
勤務先ではコンピュータに向かって仕事をする時間が長いのですが、もともと社交的な性格なので、野球を通じて地域の人たちと知り合えるのはありがたいです。
ボランティアをする理由
ボランティアは大変な面もありますが、基本的には自分が子供たちの成長に携わるのが好きなことが、続いている理由だと思います。また、自分の子供のためもありますが、地域の子供たちにも少しは役に立てるかもしれない、ということも動機の一つです。
仕事とボランティアの両立
幸い、勤務先のマイクロソフトは勤務時間に融通が効き、自分の仕事をきっちりこなしている限り、平日の午後5時に練習があるときに早く帰宅しても、私の部署では問題ありません。
マイクロソフト社には地域社会への貢献が奨励される文化があり、私がボランティアした時間に対してマッチングの寄付をしてくれるのもありがたいです。
このボランティアをする上で大切にしていること
リトルリーグをやる子供たちには、一年中野球をやる子供もいれば、春だけ野球をやり、他のシーズンは別のスポーツをやる子供もいて、選手のレベルややる気もさまざまです。
スポーツでは勝つことに目が行きがちですが、長い目で子供たちの成長を考えて育ててやる気持が大切だと思います。レギュラーシーズン中は、どんなレベルの選手にも平等にチャンスを与えて、皆が楽しめるようにします。ただ勝ち負けにこだわるのではなく、野球を楽しみながらチームワークやスポーツマンシップを学んでくれたらいいな、と思っています。
Thunderbird のコーチの合言葉は、「コーチとして成功したかどうかの基準は、翌年に何人のプレーヤーが戻ってきてくれたかで決まる」です。
同じようなボランティアをしたい方へのアドバイス
アメリカ人と一緒にコーチをするのは、20年以上もこちらに住んでいる私にとっても、文化の違いや、意思の疎通で戸惑うことが時々あります。でも、自分が大切だと思うことや自分が楽しめるスポーツや趣味などを通してボランティアをすると、仕事とは違った人たちとのつながりができて、人生が豊かになると思います。
無理のない範囲で、小さなことから始めてみることをお勧めします。リトルリーグでも、常にボランティアを必要としていますので、興味がありましたら、是非ご参加ください。