オレゴン州では最も長い歴史を誇る小さなビーチ・リゾート。
ポートランドの約78マイル北西（124キロ）、キャノン・ビーチの約10マイル北（約16キロ）にある小さなビーチ・リゾート。「シーサイド」という名前は1870年代に鉄道王ベン・ホラデーが建設したサマー・リゾート『Seaside House』（ビジネス・センターから約1マイル南）にちなんでいます。
白い砂浜は3マイル（約4.8キロ）に及び、海沿いには小さなブティックやショップが並ぶ。1805年11月に大西洋に到着したルイス＆クラーク探検隊の隊員数人が、塩を作るためにこのシーサイドにあたる地点でキャンプを張ったという記録があることから、ルイス＆クラーク探検隊の最終到達点とされる。1990年にビーチ沿いの全長1.6マイルの遊歩道
『プロム』 の中心にメリーウェザー・ルイスとウィリアム・クラーク、そしてルイスの愛犬シーマンのブロンズ像が立っているのはそういうわけなのです。
現在のシーサイドにあたる地域には、長年にわたりネイティブ・アメリカンのクラットソップ族の住みかだった。シーサイド歴史博物館によると、全長30～60フィートのヒマラヤスギの厚板で作ったロングハウスに住み、毛皮を着、ベリーや鮭、ハマグリやムール貝、鯨やアザラシをとって暮らしていたそう。探検隊や毛皮貿易業者が持ちこんだ天然痘によって多数の死者が出たため、ルイス＆クラーク探検隊が1805年にシーサイドの北150マイルの地点に砦を造った時に住んでいたのはわずか250人ほどだったとのことです。このネイティブ・アメリカンは友好的なクラットソップ族で、北のチヌーク族や南のティラムック族と交流がありました。数十年後から白人の入植が始まり、1850年にはシーサイドにゲストハウスがオープンし、オレゴン州のビーチ・リゾートの発祥となりました。現在は水泳・サーフィン・ゴルフなどのほか、スティールヘッドやサーモンなどの釣りも楽しめます。12th
Avenue Bridge でカニとりにもトライしてみては？！
観光案内所
SEASIDE VISITORS BUREAU
シーサイド観光案内所
www.seasideor.com
観光スポット
BROADWAY
ブロードウェイ
シーサイドの中心地。小さなショップが並ぶ。
THE SALT WORKS
ザ・ソルト・ワークス
探検隊がコロンビア・リバー下流に到着した頃には塩が底をつき、飲料水や食料となる肉も不足していました。そこで、クラークは数人の隊員に海まで移動して塩を作るように命じた。フォート・クラットソップの南西15マイル（24キロ）の地点に、岩でかまどを作り、5つのやかんに入れた海水を煮続けて塩を作ることに成功。この地点が現在のシーサイドという町にあたる。記録によると1805年12月28日にフォート・クラトソップを出発し、翌年2月2日から20日までに約28ガロンの良質の塩を作ることに成功。当時、その場所にはネイティブ・アメリカンのクラトソップ族とティラムック族が住んでおり、探検隊を援助したとされている。1900年にオレゴン・ヒストリカル・ソサエティがこの場所を特定するためこの地域を訪れ、当時86歳だったクラトソップ族の女性ジェニー・ミシェルが、母親が1805年に探検隊を訪ねた場所を何度も訪れたことがあると証言したことで、その場所が確定された。1955年にはライオンズ・クラブがルイス＆クラーク探検隊の日誌をもとにこれを復元し、国定史跡に指定されている。毎年7月と8月の第3週には塩を作るパーティーが開催される。
SEASIDE HISTORICAL SOCIETY MUSEUM
シーサイド歴史博物館
www.seasidemuseum.org
2000年におよぶシーサイドの歴史が展示されている小さな博物館。ビーチ・コテージを博物館にしたものではオレゴン州唯一。展示物の中には紀元前700年にまでさかのぼる物もあり、1899年のシーサイドを復元したジオラマもあります。
TILLAMOOK HEAD
ティラムック・ヘッド
シーサイドの南端にある岬で、エコラ州立公園内にあり、ベイトウヒ（Sitka Spruce）の森に覆われ、太平洋の海面まで1,200フィート（約366メートル）の断崖絶壁が続きます。「ティラムック」という名前は、19世紀にこの付近に住んでいたチヌーク語を話すネイティブ・アメリカンの部族にちなんだもの。ルイス＆クラーク探検隊のクラーク少尉と12人の隊員らはフォート・クラットソップから南へ向かってこの岬を通り、浜に打ち上げられた鯨を目撃したと記録されています。このティラムック・ヘッドからカリフォルニア州とオレゴン州の境までは総合自然保護区域 『Oregon Coast National Wildlife Refuge Complex』 に属する6つの自然保護区が連なっています。
TILLAMOOK ROCK LIGHT
ティラムック・ロック・ライト
ティラムック・ヘッドから約1.2マイル（約1.9キロ）の沖合いにある高さ約20メートルの灯台。1878年に米国議会がティラムック・ヘッドに灯台を建設するため5万ドルを充てることを決定しましたが、海面からの高さがより低い場所の方が霧で遮られるのを避けられるということから、"Terrible Tilly" と呼ばれていたこの大きな岩の上に灯台が建てられることになりました。玄武岩でできたこの岩は海抜約40メートルで、三方が絶壁、残る一方は割れ目のある斜面となっているため、アクセスが非常に困難で、1879年には調査員1人が海に落ちて死亡する事故が発生。しかし、同年10月21日についに着工し、1881年1月21日に初めて火が灯されました。歴史的建造物に指定されている灯台の中では唯一の私有となっており、公共のアクセスはありません。エコラ州立公園とシーサイドの間や、オズワルド・ウェスト州立公園からよく見えます。
掲載：2017年6月