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「自閉症の懸念があるので調べてもらった方が良い」と言われました。

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Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん

Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
カウンセリング:
Rockwood Office Park
1409 140th Place NE, Bellevue, WA 98007

アート・セラピー・スタジオ:
7048 27th Avenue NW, Seattle, WA 98117
【電話】 (206) 276-4915
【メール】 info@studiomene.com
【公式サイト】 jp.studiomene.com
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高田さんへのご質問はこちらからお送り下さい。

Q:3歳の息子が通うプリスクールから「自閉症の懸念があるので調べてもらった方が良い」と言われました。友人は、「バイリンガルだから話すのが少し遅いのよ」と言います。どうすれば良いでしょうか?

A:
最近、自閉症の発生率が高くなってきている事は事実です。アメリカの子供たちの110人に1人、男の子の場合は70人に対して1人の割合で自閉症が発病しているとさえ言われています。

自閉症は広帆性発達障害(Autism Spectrum Disorders)と呼ばれる脳の機能不全による、発達障害の一つです。その中にはアスペルガー症といわれる病気も含まれます。自閉症は(1)社交力の障害(視線を合わせられない、他人の感情が理解できない、年齢相当に友達を作ったり、一緒に遊ぶことに興味がない、相互関係が分からないなど) (2)コミュニケーション能力の問題(言葉が話せない、一方的に話して会話にならない、同じ言葉を繰り返したり誰かが言った言葉をオウム返しに繰り返す、想像力の欠如) (3)パターンのある、制限された行動(物を自分のパターン通りに並べないと気がすまない、他人には意味のないパターンのある行動や動きを繰り返す、自分が特別に興味のある物や課題にのみ興味を持つ、柔軟性の欠如)の3つの問題がある障害ですが、個人差が激しく、子供によって障害の出方が特異であることもその特徴です。

自己診断や友人の言うことで子供に問題があるかどうかを決めるのは良くありません。友人は通常、あなたが言って欲しいことを言ったり、同意したりしてくれます。自分の子供に問題がないと思いたい気持ちはよくわかりますが、プリスクールの先生は親の気持ちはよくわかっておきながら、それでもあなたの子供のことを心配して専門家に聞いてみるように言っているのです。自閉症は育て方の問題で起きる障害ではなく、早期発見・治療が重要な発達障害です。昔の考え方で、障害を家の恥と考えたり、恥ずかしいと思うのは非生産的です。

まず、幼児から三歳児までの障害の懸念のある子供たちの診断・治療をしてくれるセンター(0-3)に行ってみましょう。そこでは子供の発達全般を調べてくれますし、子供に一番あった治療法を見つけるために自閉症専門のクリニックを紹介してくれます。専門のクリニックは普通4~6ヶ月の順番待ちとなっています。確かに、バイリンガルの子供の言語の発達は、二ヶ国語を学んでいることの考慮が大切ですが、専門の医療言語聴覚士(Speech Pathologist)によると、0歳児から診断できるといいます。と言うのは、自閉症のある赤ちゃんは、目があわず、呼んでも振り向かず、笑い返さないといった特徴があるからです。

早期発見・治療により、症状の改善が見られるようになり、その後の学校でのサポート・システムの確保ができます。高機能の自閉症の子供でも、友人や人間関係の難しさから、欝や不安症を併発することもあります。自閉症の治療は個人差があり、とても複雑ですが、カウンセリングと並行して行い、精神面でのケアも怠らないようにしましょう。

情報サイト:www.autismspeaks.org

掲載:2010年8月

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