Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん
Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
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Q:白人のアメリカ人の夫との間に、12歳の女の子と16歳の男子がいます。2人ともアメリカ生まれで同じように育ててきたのですが、16歳の子は日本や日本の文化にとても興味があるものの、12歳の子は日本の事を毛嫌いしてるように思えます。この夏、日本に帰るのも嫌がられてしまいました。どうすれば良いでしょうか。
A:最近は多様になってきているとはいえ、日本はまだまだ単一人種の国です。そのため、外国に出るまで、日本人であることやアジア系の人種としての認識はあまりなかったりします。ですから、そこで育った者にとっては、アメリカのように多人種社会の中で自分のアイデンティティを確立していくことは並大抵ではありません。
アメリカでは、小学校高学年を過ぎると、人種の意識がはっきりして来て、中学生になるころから、自分がどこのグループに属するか試行錯誤していきます。黒人と白人のミックスの子供たちのケースは巷でさまざまな議論を巻き起こしています。「自分はどちらのグループに所属するのだろうか」「受け入れてもらえるのだろうか」「混血のグループに所属するのだろうか」といったことを、子供たちは育っていく中で試行錯誤していきます。オバマ大統領は、白人の母とケニア人の父の間に生まれたものの、人種の交じり合ったハワイで母方の祖父母に育てられ、自分がどの民族に属するかについて葛藤があったと語っています。選挙運動を始めた頃は、アフリカ系のアメリカ人から「オバマはアフリカン・アメリカンではない」と言われたりもしましたが、「妻のミシェルは奴隷を先祖に持つアフリカ系」と言って自分と比較しながら、「さまざまなアフリカ系の人がいるのだ」とも語っていました。
同じ両親のもとで育った日本人とアメリカ人のミックスの子供は、子供によって外世界での経験に個人差が出てきます。周りは個人の外見によって何系かを判断しようとします。日本人と白人のミックスの場合、遺伝子がどのように働くのかはわかりませんが、明らかにアジア系だとわかる人から、ほとんど白人に見える人までさまざまです。外見によって他人からどう判断されるかは、子供のアイデンティティの形成に影響をする事は明らかです。2つの文化の良いところを見つめ、自分が誇りに思えるイメージを持ち続けることが大切だと思います。
日本人としてのアイデンティティ教育はどのようにされてきましたか?嫌がる子供に無理やり日本語を習わせたりして、日本に対して嫌なイメージを植えつけていませんか?言葉を学ぶ以外に日本を知る方法はいろいろあります。それは、アニメであったり、空手教室だったり、日本食の料理の仕方であったり。子供の興味のあるものであることが一番です。日本文化に接する機会を設ける一方で、文化の押し付けはやめましょう。今は興味がなくても、もう少し成長するとまた変わるかもしれません。個人の尊重はとても大切です。
掲載:2011年7月