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セラピーとしてのガーデニング(野菜作り)

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Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん

Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
カウンセリング:
Rockwood Office Park
1409 140th Place NE, Bellevue, WA 98007

アート・セラピー・スタジオ:
7048 27th Avenue NW, Seattle, WA 98117
【電話】 (206) 276-4915
【メール】 info@studiomene.com
【公式サイト】 jp.studiomene.com
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高田さんへのご質問はこちらからお送り下さい。

ガーデニング、特に野菜作りはさまざまな面で健康の維持に役立ちます。Horticultural Therapy を専門に学ぶ人もあり、園芸セラピーの効用をリサーチをする人もいますが、今回はカウンセラーとして、ガーデニングから考えるメンタルヘルスについてお話しします。

シアトル地域で手探りでガーデニングをし始めて15年が過ぎました。最初のころは日本の大輪朝顔の種を持ち込んで、種を植えれば育つでしょうと言った甘い考えで望んでいましたが、今ではこの寒い地域で何をどのように育てればうまく行くかが、少しずつわかってきました。

1. 土作りが大切:

プロの人は、「土のペーハー(PH)を調べて、その土が酸性かアルカリ性かを知っているといい」と言います。雨の多い場所は酸性寄りで、この辺りは酸性土の好きな石楠花(Rhodedendron)やブルーベリーが育ちやすいですが、結構アルカリ寄りの土が好きな植物も育ちます。なので、酸性寄りであることをなんとなく心に留めて、「ちゃんとやっているのに、成長が悪い」という場合は、ペーハーを調べてみると参考になります。一番大切なのは、畑の土の性質を知り(砂が多いとか粘土質など)、植える前に堆肥や鶏糞などを入れて、栄養たっぷりな土にしておくことだと思います。植物が育つのに必要な窒素を勝手に作ってくれる、被覆作物のそら豆やクローバーを秋から冬にかけて植えておくのも健康な土を作る方法です。最初に土を作っておくと、後からあまり肥料を入れなくてもうまく育つようです。

メンタルヘルスにおけるアドバイス:

この土作りは「人の住みやすい環境を作る」ということかもしれません。住みやすい住居、穏やかな家庭、頼りになる友人などがそれにあたると思います。日本から移住した場合、慣れた日本の土から引っこ抜かれて、よくわからない土に植え替えられたということに近いかもしれません。人によるとすぐに日本に帰るからと、アメリカで鉢植えのまま過ごしている場合もあります。

2. その場所にあった植物を植え、環境を整える:

品種改良をしているとはいえ、その気候にあった植物を選ぶのは大切です。植物の出身地を把握し、その品種にあった環境を整えます。シアトルに適した夏野菜は、プチトマト、ズッキーニやインゲン豆と比較的栽培期間が短めの野菜です。たとえば日本発の桃太郎トマトなどは栽培時間が長めなので、我が家での収穫は8月中旬からになります。きゅうりはインド原産なので、シアトルのように夏でも平均気温が25度の場所では、6月か7月になってから植えた方が良いようです。暑い場所だともうどうしようもないくらい採れるきゅうりですが、壁の前に植えたり、工夫をして熱を保たないと、大量の収穫は望めません。

メンタルヘルスにおけるアドバイス:

「アメリカになじめない」と言わずに、理解をする努力をしてみましょう。アメリカに生活するさまざまな民族を理解し、歴史などを勉強したりすると、アメリカ人の行動にも納得がいきます。さて、ここで質問です。(1)ワシントン州はかつてテリトリー(領土)と呼ばれていました。今でもグアムやプエルトリコはテリトリーです。では、ワシントンはアメリカの何番目の州でしょう? (2) 2010年の統計によると、シアトル市で最も多い人種はヨーロッパ系で69.5%。それでは2番目に多い人種は?

3. 日々の管理:

まず、野菜は日当たりが良ければよ良いほど育ちます。寒ければカバーをかけてやる。雨が降らない時期は水遣りをする。必要であれば肥料を入れてやる。肥料も、緑の部分を大きくさせる肥料と花を咲かせるための肥料とは違います。生まれ故郷が違う野菜の、故郷に近い状況を作ってあげると、野菜は育ちます。人間にとっても、日々のガーデニングの間に太陽に当たること、運動することも体に良いですよね。

メンタルヘルスにおけるアドバイス:

たまには、日本食をたくさん食べて、日本語で話せるホームパーティを計画してみませんか。自己管理と自分の養分になる活動をするのはとても大切です。忙しい中にも、自分のエネルギー補給時間を作りましょう。友達と会う、趣味に時間をかける、自分ひとりでボーっとするなど、個人によってやりたいことは違うかもしれません。私の場合、ガーデニングがこれにあたると思います。

4. 収穫の喜び:

物を育てることは自体がセラピーである上に、とれたての野菜は格別です。家庭栽培の野菜はどんな肥料を入れたのか、殺虫をしたのかなど自分でわかっているので、安心して食べられます。旬の野菜にあった料理を工夫してみましょう。

メンタルヘルスにおけるアドバイス:

海外生活は山あり谷ありですが、努力をして、だんだん慣れてくると、「やった~」と思えることが増えてきます。諦めないで、根気強くやっていきましょう。ネイティブのアメリカ人と自然に会話ができたり、アメリカ人や他の国から来た友達ができる、英語での仕事で充実を感じるなど、きっと良いことが起こります。

我が家では、今年初めてワラワラの玉ねぎが大きくなりました。ワラワラは夏は暑いので、シアトルではワラワラの玉ねぎは大きくならないのかと思っていましたが、何のことはない、鶏糞が足らなかったようです。甘いワラワラの玉ねぎを炒めて作ったオムレツは最高です。ただ、スーパーマーケットでワラワラの玉ねぎは1ポンド75セントぐらいで買えるので、お金の節約にならないのが残念です。

質問の答え (1)42番目 (2) アジア系13.8%

掲載:2013年7月

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