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Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん
Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
カウンセリング:
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アート・セラピー・スタジオ:
7048 27th Avenue NW, Seattle, WA 98117
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高田さんへのご質問はこちらからお送り下さい。
Q:最近イライラして、よく眠れません。いつの間にか間食が増え、体重が増えてしまいました。その上、イライラが子供に伝染して、家族全員で喧嘩ばかりしています。どこから手をつければよいでしょうか。
A: 今月は先月の記事「ストレスを認識する」の続編です。前回はどんな事がストレスになるのかを書きました。ぜひ先月の記事も読んでください。
もう12月になってしまいました。師走とはよく言ったもので、気がついたら新年になっているかもしれません。私は楽しいはずのストレス一杯の12月を送りがちです。11月のサンクスギビングの料理に始まって、クリスマスの飾りつけ、クリスマス・カードを書き、日本の家族にクリスマスのプレゼントを郵送し、アメリカの家族友人にプレゼントを作ったり買ったりした後、きれいなラップをして、クリスマスのご馳走を作り、お祝いをします。その後は日本のお正月の準備で、日本に年賀状を出し、餅つき機を取り出し、鏡餅をつき、おせち料理の準備をします。もちろんこの合間に、友人たちとのクリスマス・パーティーに出たりもするわけですから、お正月が終わるとかなりホッとします。
日米の習慣を両方取り入れて、理想的には息子のアイデンティティ形成の為などとうそぶいていますが、実はこれだけやらないといけないという自分の信念が不安を生み出し、不安なストレス元になっています。ここで言えるのは、自分の思い込みである「こうであらなければならない」という考え方を変えると、随分ストレスが減るということです。私自身の例で言うと、サンクスギビングは旅行に行き、日本への贈り物はネットで注文して配送してもらい、クリスマス・カードはメールを使い、あまり喜ばれないおせちはたくさん作らない、などなど。「手抜きしてもいいのよ」と、自分に優しくするようにしています。
さて、以下はストレスと立ち向かうにはどうしたらよいかです。
感情の IQ をあげる:
感情の IQ とは、自分の感情をよく把握し、上手に感情を表現する能力のことです。一番大切なのは、自分が今どんな気持ちでいて、どのくらいのストレスがあるのかを認識することです。基本感情は喜び、悲しみ、心配・不安、怒りの4種類で、悲しいことがあるのに自分は強いから大丈夫、とたかをくくることは心の健康に良くありません。
解決法が簡単に見つからないようなことがストレス源の場合
自分に優しくする:
自分に優しくしてあげるのが一番大切です。ですから、もう実行されてるかもしれませんが、日本の昔からの知恵であるお風呂に入ったり、健康的で美味しいものを食べに行ったり、ゆったりした時間を持ちましょう。マッサージや鍼などはとてもリラックスできます。香りが好きな方は、アロマセラピーで自分の好きな香りに囲まれてみるのもよいでしょう。子供のいらっしゃる方は、自分だけの時間が必要かもしれません。アート、クラフト、楽器演奏、音楽鑑賞も一案です。ここで大切なのは自分の好きな事をするということです。
健康管理に気を配る:
定期的にエクササイズし、健康に良くバランスの良い食事を規則的に取りましょう。また、睡眠をとり、前日からのストレス・不安・怒りの感情をできるだけ持ち続けないようにしましょう。簡単な瞑想をすると、心が少し落ち着くかもしれません。ゆったりした服を着て、バランスの良く座り、腹式呼吸をしながら、自分の呼吸に注意を向けます。脳は忙しく働いていて、今日嫌だった事が渦巻いているかもしれませんが、それを考えないで、とにかく脳を空っぽにするように腹式呼吸に集中します。
物の見方をポジティブにするように努力する:
アメリカ人がよく言う言葉に、「ガラスのコップに半分水が入っていたとして、水が半分も入っていてよかったと考えるか、水が半分しか入っていなくて後は空っぽと考えるか」ということがあります。これは物の見方の違いを表現しています。嫌な事でも何かポジティブな面を見つけることが大切です。
信頼できる人に愚痴をきいてもらう:
普通、友達はあなたの言い分に同意して、自分の話を始めたりしますが、良い友達は建設的なアドバイスをしてくれます。しかし、狭い日本人社会では、余り誰彼なしに話すと他の人の間で噂話になったという話もよく聞きます。話をする相手を選びましょう。
良くない解消法:
ネットで悪口を言う。問題のある相手に仕返しをしてやろうと考える。自分の殻に閉じこもってしまう。お酒の飲みすぎ。タバコ・カフェインのとり過ぎ等です。
メンタルヘルスの分野ではこの暮れの時期は最もストレスが多く、鬱などの病気になる人が多い事がよく知られています。コマーシャルに踊らされて、サンクスギビングやクリスマスは楽しく家族と過ごすハッピーな時期だと思いがちですが、理想とは違って、あまり上手くいっていない家族と関わらなければならない、訪問する家族がない、プレゼントを買うお金がないなど、理想と現実との違いを知らされる時期でもあります。アメリカに家族のいない方は、ホームレス・シェルターやお年寄りに食事を届けるなどのボランティアをしてみるのはいかがでしょうか。自分で率先して、家族のいないもの同士のパーティーを開くのも一案です。
暴飲暴食を避け、良い年の暮れをお過ごしください。
掲載:2010年12月