Studio Mene and Counseling Services
高田 Dill 峰子さん
Mineko Takada-Dill, MA, LMHC, ATR
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高田さんへのご質問はこちらからお送り下さい。
Q:高校生の息子が、友達ができないで悩んでいるようなのですが、何も話してくれません。私自身は日本の高校に行ったので、アメリカの高校のシステムもよくわかりません。アドバイスをお願いします。
A:アメリカの高校は、受験をして高校に入る日本と違い、義務教育です。公立高校は特別なクラスや学校(APPやAlternative School、ESL)を選ばない限り、基本的には一番近所にある学校に行くことが多いようです。ですから、高校に来る子供たちは日本と違って多様です。
日本では普通、特別教科外は生徒は同じ教室にいて、科目ごとに先生が異なりますが、アメリカの場合、一人一人の生徒がそれぞれに適した科目を取るシステムなので、大学のように生徒が毎時間違った教室に行って授業を受けます。ですから、同じクラスにいる友達との時間が限られてきます。
アメリカの映画やテレビ番組を見ていると、”Clique”(クリック)という学校内での違ったグループを意味する言葉が使われています。皆で楽しく過ごすグループより、排他的といった意味が強く、学校によってはこのようなグループがかなり存在していたりします。アメリカ人の子供たちにとっても、友人関係は決して容易なものではありません。
中学から高校にかけては、友人関係が重要になる時期です。子供たちは同じ物に興味がある、自分の経験と近い経験を持つ友人を選びます。高校では、同じ小中学校に行った気心の知れた友人、授業外のクラブ・スポーツなどの友人、人種、国籍などを中心にグループを作りがちです。
小学校から同じ学区に住んでいて、英語が流暢で、友達がいる、という場合は比較的スムーズですが、10歳を過ぎてからアメリカに来て英語を学びながらアメリカ人の友人を作っていくには努力が必要です。引っ込み思案な場合はそれ以上に大変で、日本人あるいはアジア人同士付き合っていることが多いのはよくあることです。
最近、アメリカの高校生は昔ほど車の免許を急いで取らない傾向にあります。ティーン向けの車両保険は高いですし、両親が気軽に運転してくれるというのは表向きで、自分のテレビやテレビゲーム、携帯電話やパソコンを持っているティーンは、家に一人でいても十分に楽しめるのです。ゲームもネットを通して会話ができますし、宿題はスカイプのテレビ電話を使って友達と一緒にできる。Facebookを使ってネット上の友達をたくさん作ったりします。けれども、それは目に前にいる、生身の友達とは同じだとは思えません。
公立高校にはさまざまな課外活動ののクラブがあります。子供の個性にあった、子供が興味を持つ課外活動を見つけてみるのはどうでしょうか。たとえば、アニメのクラブに入ってみる。モデルUNなど海外の状況に興味のある生徒のいるクラブの活動をする。校外のスポーツやボランティアなどの活動をする。高校の日本語の先生に相談して、アメリカ人で日本語を学んでいる生徒と交流するなどを勧めてみるのはどうでしょうか。
ティーンエージャーに話す場合は、気分が良く、会話をしやすい状況を見つけ、こうしろああしろと言うのではなく、「お父さんもアメリカに来た時、友達を作るのが難しかった。何か共通点があると友達ができやすいから、こういうことをしてみれば。」と話しかけてみましょう。
なお、極度の落ち込み・欝の場合もあるので、場合によっては専門家(学校のスクール・カウンセラー、ガイダンス・カウンセラー、看護婦や校外のカウンセラー)に相談してみるのも良いかもしれません。
掲載:2010年10月