相談「周りの人が羨ましく、自分が小さく思えることがあります」

最近周りの人が羨ましくて、自分が小さく思えることがあります。自分は結婚しているのですが、例えばよく会う主婦の友達が（仕事をしてなくても）お付き合い（外食など）や買い物を躊躇無くしていることや、持ち家があること、仕事を持っていること、センスがあること、友達が多いこと、自分よりもこちらでの生活が短いのに、あっという間に英語力が上達していること・・・と、いちいち羨ましくて仕方がありません。もちろんそれらは自分には無いことです。私にはこれと言った特技も無く、英語力もたいしたことがありません。学校へ行ったり働いても無いので、なかなか色んな人と出会うことも無くて、英語どころか日本語でも友達作りが下手だし、まったくと言って良いほど主人以外の人との交流がありません。結婚生活に満足はしているし、主人と共通の趣味を持っているので楽しい生活はしていますが、「隣の芝は青い」ではありませんが、他人が羨ましくて仕方が無い時があります。なぜ自分には無いんだろうと、情けなくなるときもあります。どうしたら自分や自分の生活に満足し、他人をうらやむことで自分と比べてしまうのをやめることができるでしょうか？

回答：あなたが羨ましいと思う人達が持っていることは、英語が上達している、躊躇なく外食や買い物をしている、友達が多い、センスがある、仕事を持っている、家がある、などですよね。そして、今度、自分もそれらを手に入れようとすると、特技がない、英語力も大したことがない、出会いがない、などとブレーキをかける条件が出てきています。だから、何をしていても落着かないし、周りの人が気になるし、自分がいやになるばかりです。

よく日本の女性は、生活の中で何か満足できないことがあると、「どうして結婚もして幸せなのに不満なんだ、自分より不幸な人はいくらでもいるのに、自分は与えられたものに満足できない欲深い人間だ」と自分のことを決めつけがちです。でも、あなたが羨ましい、満足できないと思っていることがらは、欲深いことでしょうか？

上記の内容を言い換えると、あなたは「英語をマスターして、友達を増やし、自分を生かせる仕事もして、堂々と生活をエンジョイしたい」ということで、それは欲深いことではなく、人間として当たり前の願いではありませんか？堂々と生きていくことができれば、あなたは人と自分を比べたり、人が羨ましく思ったりしなくなるでしょう。いくら夫がやさしくて、経済力があっても、それだけで女性は幸せにはなれません。ここで花を考えてください。花を1つの場所から違うところへ移すと、しばらくはしょんぼりとしますよね。それはそれまで根を張っていた土から新しい土へ移されたことで根を切られてしまい、新しい土へ適応しなければならないからです。でも、十分な光、水と栄養を与えると、再び根をはりはじめ、新しい土でも花を咲かせます。

人の人生も同じです。体・健康という根、家庭という根、社会の根（言葉、社会の仕組み、社会とのつながり）、友達の根、趣味の根、などいろいろな根っこがあり、それらが十分な栄養をとりしっかりと根をはることでやっと花が咲くのです。あなたは日本の土からアメリカの土に移されてきた時、日本に張っていた根を切ってアメリカに来ました。あなたは結婚という根からは栄養をもらって根を伸ばしているけれど、他の根は切られたままです。それなのに、まわりの日本人がきれいな花を咲かしているのを見て、なぜ自分は花が咲かせられないのかと焦っているのです。同じ日本人でも、1人1人、花の種類は違います。すぐに咲いても枯れては面白くないし、ゆっくりでも大きな花を咲かせればいいのです。

これからいろいろな根を育てるためには、まず英語を勉強することです。英語はアメリカの土に根をはるためになによりも大切な基本の根です。そして英語だけでなく、何かあなたが仕事にしたいと思う科目を勉強してください。あなたがアメリカで大きくきれいな花を咲かすために、自分の将来を考えて自分に学費というお金と勉強する時間を投資することは、根を伸ばすための、水と栄養そして太陽の光なのですよ。

掲載：2002年11月