ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん
2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com
日本の大学を卒業して働いてからアメリカに来ました。その後、アメリカの大学を卒業し、アメリカの同じ会社で仕事をして約5年になります。最近、アメリカがとても嫌になってきました。自分の友人はとてもいい人たちが多いのですが、この国の外交政策や戦争に対する政策など、さまざまな嫌な面がクローズアップされてしまい、どうにもストレスがたまります。でも今から日本に帰っても就職は望めないため、今後もアメリカで働き続けることになると思います。どうしたらいいのでしょうか?
回答:アメリカの政策やさまざまな面でストレスがたまって、とありますが、あなたのストレスはそれだけでしょうか?アメリカで同じ会社で5年以上経つと、「嫌になってきた」と感じる日本人はあなただけではありません。アメリカの嫌な部分が見え、移民として生きていくことにも疑問を持ち、かと言って日本に帰るにもどうだろう・・・という今のあなたの状況を考えてみましょう。
アメリカは、「自分の面倒は自分で」というお国柄です。その点、これまでの日本は「同じ仕事を続けることが良い」文化で、同じ場所、同じ仕事で飽きてきた頃に人事異動や転勤があり、リフレッシュして仕事ができるようなシステムがありました。また、年功序列で先輩は自動的に尊敬されるので、続ける人はそれなりに居心地のいい環境を与えられてきました。しかし、日本もアメリカのようになってきています。まじめに何年も働いても同じ仕事がずっと続くだけで、嫌なら辞めるしかなく、その上、会社側が経営不振になるといきなり解雇されるのが現状です。ですから、何年か経つと仕事がおもしろくない、やる気が出ない、この先が不安だ、自分の職は安定しているのだろうかと感じる日々がやってくるのです。アメリカ人の多くが何年かおきに仕事を変える、キャリアを変える、学校に戻るといったことをするのは、この国で元気に生きていく1つの術なのです。
幸せな人生を送るには、5年計画、10年計画というように、常に自分の行き先を考えなければなりません。今までは留学・就職という目的で来たあなたは、これからの目的を改めて考え直す必要があります。日本では就職がないのでアメリカで働くしかないというのは消去法の考え方です。これからあなたの人生で、何が欲しいのですか?どんなことがしたいですか?どんな生活がしたいですか?思いきり自由に想像してみてください。ハングリー精神は積極的な人生設計にはとても大切です。また、想像する際に、年齢・能力・性別・経済力・不安・恐怖・世間体などの要因は横に置いてください。それらはどうしても消去法の考えを生み出します。
今のあなたがしなければならないのは、これからの人生の地図を描くという大きな作業です。その際に、消去法から入ったのでは、いい地図は描けません。あなたはこれまで日本を出て、留学・就職という遠い目的地に到達できた人です。せっかく大海に出て嵐や悪天候を乗り越えて進んできたのに、ここで次の進路を見つけられず停滞し後退するのは、冒険してきた意味がないと思いませんか?日本でも働き、アメリカでも働いてきて5年も経った今ですから、2つの国のことをよく見ることができると思います。これからも大きな目的を持って有意義で生きがいのある人生を選んでください。
掲載:2004年7月
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