ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん
2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com
日本人の専業主婦です。来年には子供の高校卒業を控え、このまま子供が無事カレッジに入学できたら、私が子育てに専念してきた10数年が終わることになります。既に手のかからない年になっていますが、私自身はここ10数年専業主婦としてやってきました。幸い夫にも恵まれ、子供が巣立った後には2人で何をしようかと話し合うようになっています。でも、夫にはまだ後10年ほど仕事があり、自分の世界がありますが、私には仕事もありませんし、自分以外には友達しかおらず、「自分の世界」と呼べるものがありません。趣味も昔はありましたが、忘れてしまいました。夫と過ごす時間が増えるのは嬉しいですが、自分がないような気がします。子育てをされながら、仕事という以上に、立派にフルタイムで責任あるキャリアを築いておられる女性を多く見かけるにつれ、自分が子育てだけに専念してきたのは間違いだったのかと悩み始めています。どう考えていったらいいのでしょうか。
回答:現代の女性の生き方にはさまざまな選択があります。
結婚・出産後、仕事を続けるか専業主婦になるかは大きな決断です。自分の手で子育てがしたい、デイケアに預けるのはかわいそう、仕事で子育てや家庭のことがおろそかになるのは嫌、子供の手が離れてから仕事に戻ればいい、仕事が好きではない、特にやりたい仕事もない、夫が家にいてくれと言う、共働きするほどお金に困っていない、と考える人は専業主婦の道を選ぶでしょう。一方、今の仕事を続けたい、キャリアを積んでいきたい、自分もある程度の経済力は持ち続けたい、一日中家にいるのは嫌、デイケアや家族のサポートがあるのでなんとかなる、家計のためになる、今の世の中何が起こるかわからない、と考える人は子育てもしながら働くでしょう。
どちらの生き方にもリスクはあります。前者の場合は、子育てと家庭はきちんとできてもあなたのおっしゃるように自分の世界がない、キャリアが持てないことなどがリスク、後者の場合は、キャリアは持てても、夫と子供と過ごす時間が少ない、他人に子育ての一部を委ねる、などというリスクがあります。
あなたの場合、専業主婦として立派に子育てを終え、幸せな結婚もされているのに、自分が選んだ道を疑い、専業主婦に伴うリスクがあるなら兼業の道を選べばよかったのだろうかと悩んでいます。それでは、あなたが専業主婦を選んだ元々の理由はどうなるのでしょうか? 1日には24時間しかありませんので、人は選択をしなければなりません。確かに、ああしとけばよかった、こうしなければよかったと考えるのは人の常かも知れません。でも、「あの時、私が専業主婦になろうと決心したのはこういう理由だった」ということをきちんと思い出し、それが達成できた事実をいいかげんに考えるのはやめましょう。大きな役割を終えたことを誇りに思ってください。
女性の人生は、年齢と共に優先順位が変わっていきます。家庭・子育てが一番だった時代をまっとうし、今はまさに次の人生で何が大切なのかを模索している時期なのです。焦って仕事を探すとか、とりあえず何かの趣味を見つけるのではなく、まず子育てが無事に終わったご褒美に、ゆっくり休む、旅行に行く、自分にプレゼントをするなどして、これまでの自分の働きをねぎらうことが大切です。それから第2の人生であなたが何をすれば充実できるのか、楽しいのかを時間をかけてゆっくり考えてください。
掲載:2004年5月
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