ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん
2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com
先日、アメリカ人の旦那とケンカをして、離婚騒動までいきました。ケンカは毎回のことで、悪いのは私の方です。旦那は家庭に恵まれない環境で育ち、心の優しい、家庭を 大切にする人です。その性格と優しさに引かれて結婚したのに、なんとひどいことに、私はそんな旦那にひどいことをいったり、離婚だ~と直ぐに言ってしまいます。旦那が一番恐れている「離婚」「暴力・ケンカ」を私は簡単に口、行動にしてしまうのです。私は姉と兄がいますが、家ではしょっちゅうケンカをしてました。うちの家では、常に叫び声が聞こえていました。それでも兄弟・姉妹で、何時間かすればケロッとして、普通に話していました。でも、私と主人の間ではそのようなことは通用しないのです。どんな環境で育ったからとはいえ、主人には、私の大人気ない行動は許せないのです。そして、その通りなのです。でも、一度きれてしまうと、すごいことをしてしまう自分がいるのです。そして自分ではそれをそこまでひどいとは思っていないのです。なぜなら同じようなことを兄姉の間でしてきても、お互い思いあっていたので、兄姉を失うなんて心配などしたことありませんでした。私は、主人の幼少時代の辛い経験のせいで、結婚に対する願望が大きいのではないかと、自分のすることを主人の幼少時代のせいにしたりもします。主人の両親は2歳の時に、離婚をし、映画にでてくるようなひどい幼少時代を過ごしています。だれからにも愛されず、ひどい目にたくさんあってきています。そんな主人ですが、立派な完璧といってもいいくらい人間のできた人です。しかし、私はそういう彼にひどいことをしてしまうので す。私は3年前に母を癌で亡くしました。母は、私にとって全てでした。そういうこともあり、もしかすると母の死を乗り越えていないような気がします。母を亡くして1年後には、主人のいるアメリカへ越してきて、現在2年が経ちました。主人は、私を恐れています。怒り狂ったときの私の姿が・・・私の父は母に暴力をふっていました。母の癌が見つかる前日まで二人はケンカをしていました。私は父の血をひいたのでしょうか?こんなに簡単にきれてしまう自分が嫌です。どうかアドバイスください。
回答:どうしたら「きれなくなるか」というよりは、なぜ、あなたがきれるまで我慢しているのかということの方が問題です。実家での暴力やけんかからくる恐怖や怒り、母の死からくる悲しみや後悔、現在の結婚で起こるさまざまな問題など、あなたが悩むこと、吹っ切れていないことはたくさんあるようです。しかも、それらは一つ一つが深い意味を持つことであり、我慢していればなくなるようなものではないのです。それなのに、あなたは「夫は悪くない、悪いのは自分」と思い込んでいるようです。どんなに立派で完璧な夫であっても、あなたがそこまで切れるには、2人の関係にも何らかの原因があるはずです。その原因はささいなことであれ、「このくらいのことで怒るのはおかしい」と思うようなことであれ、あなたがカチンときたり、ショックだったり、がっかりきたり、悲しく感じたりしたのであれば、無視していてはいけないのです。本来ならば、それが起きた「時」にその場で話さなければならないことなのです。ひとつのささいなことを無視して我慢し、時間が過ぎても、また次にささいな何かが起こり、そこでまた我慢して・・・という状態が続くと、一つ一つは小さなことであっても、「ちりも積もれば山となる」で、いつかあなたの感情はコントロールできなくなり爆発してしまうのです。そして、爆発してひどい行動をとった方が明らかに不利な立場になり、それが、次にまた爆発する要因を作ってしまうことになるのです。
あなたがきれる直接のきっかけは、結婚の中で起こることです。しかし、今、もっと深刻なのは、あなたの実家からくる問題が、大きく結婚に影響を及ぼしていることです。実家からの問題が結婚に深く関与し続けると、どれが2人の問題で、どれが私の問題で、どれが彼の問題なのかわからなくなってしまうものです。このような複雑な状態が続き、喧嘩や傷つけ合いが続くと、いずれ、どちらかが「もう疲れ果てた、これ以上は無理だ」という状態になってしまいます。そうならないように、まず、あなたが、「自分の怒りはどこからくるのか」を考え、解決することが先決です。実家からのトラウマ、母の死などを、まずあなたの中で整理する必要があるのです。その後で、結婚の中での問題解決の仕方を学ぶという順番です。あなたにはいろいろと自分の問題の原因がわかっているようです。それはあなたには洞察力があるということです。次のステップは、勇気を出して、カウンセリングに行ってでも自分の問題を解決することです。
掲載:2008年5月
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