ワシントン州認定ソーシャルワーカー
角谷 紀誉子さん
2019年3月15日付で、コンサルティングのサービスは終了しました。
【公式サイト】 www.successabroadcounseling.com
妻との結婚生活でいろいろな問題が出てきています。結婚カウンセリングとはどういったものか教えていただけますか。妻は、「カウンセリングで話せるのだったら、カウンセリングに行かずに私に話せばいいじゃないの」と言いますが、妻とは同じ日本語を話していても別の言語を話しているかのように思考が違いすぎ、お互いを理解できませんので、カウンセラーに媒体になってもらおうと思うのですが、それは間違っているでしょうか。
回答:カウンセラーによってやり方はさまざまですが、私のオフィスでは、まず一人ずつ1~2回来ていただき、それぞれの立場から2人の状態について探ります。それからカップルで、問題点や改善の方法などを話し合っていきます。始めは、毎週1回から2週に1回の頻度で、コミュニケーションが良くなれば、しばらく月に1回続けてもらい、フォローアップで半年から1年後にもう一度という感じです。
結婚カウンセリングの主旨は、一言で言うと「結婚生活を良くするために、お互いを知り、自分は何ができるのかを考える」のが目的です。うまく行っていない夫婦のコミュニケーションはたいていパターン化していて、いつもこういう風に喧嘩になる、いつもここで会話は途切れるという場合が多いのです。普段やっている聞き方・答え方・質問の仕方などを見直し、問題点を指摘し、新しいやり方を練習し、相手の話をちゃんと聞くことができるようにします。
コミュニケーションの改善に加えてもう1つ大切なのが、自分が結婚のために何ができるかを考えることです。「自分」を強調したのは、誰も自分以外の人間を変えることができないからです。結婚カウンセリングで、お互いを改めて知り、結婚をいいものにしたいなら、両者が「自分は何ができるだろう」と考え努力することで、関係が改善されるのです。
ところが、現実にはほとんどのカップルが「こっちが正しいことと相手が間違っていることをカウンセラーから相手に言ってもらい、相手に変わってもらおう」と期待して結婚カウンセリングに来られるようです。また、結婚カウンセリングに対して、2人ともが乗り気で同じように努力するカップルは大変珍しく、どちらかはやる気があるけれど、片方はカウンセリングなんて無駄だと考えているカップルが多いです。ですから、結婚カウンセリングは難しいのです。
そういう場合、結婚カウンセリングに相手を無理矢理連れていくよりは、1人でカウンセリングに行き、結婚について考える方が効果的です。先にも書いたように、あなたが妻とのコミュニケーションのパターンを見直し、あなた側のやり方・答え方を変えることは1人でもできるからです。結婚の問題には、過去からのわだかまり、実家の問題、子供やお金の問題、仕事や友人関係の問題など、さまざまな事柄が関係しています。あなたが自分達の結婚にはどんな問題が関連しているのかを客観的に考えるだけでも、あなたの気持ちや態度は変わるのです。あなたが変わることで、妻の対応や考え方も必然的に変わって行きます。ただし、長年培われてきたコミュニケーションや関係はすぐに変わることはないので、時間がかかることを覚悟してください。あなたが変わり、妻が変わり、その変化が好ましいことが理想的ですが、あなたが自分なりに努力しても2人の関係がよくならず、彼女の態度が変わらないのなら、そこであなたももう一度考え直すことができると思います。
掲載:2005年2月
コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 このコラムから得られる情報に基づいて何らかの行動を起こされる場合は、必ず専門家に相談するようにしてください。