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第145回 実質的所有者情報報告(Beneficial Ownership Information Reports)の義務

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2021年に米国企業透明性法(Corporate Transparency Act:CTA)が制定され、2024年1月1日に施行されたことにより、米国のほとんどの事業体は、米国財務省金融犯罪捜査網(The Treasury Department’s Financial Crimes Enforcement Network:FinCEN)に、実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information)を開示することが義務付けられています。

もくじ

開示期限

実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information)の開示期限は次のとおりです。

  • 2024年1月より前に法人登録をした事業体:2025年1月1日まで
  • 2024年1月から2025年1月に法人登録をした事業体:企業登録後90日以内
  • 2025年1月以降に法人登録をした事業体:登録後30日以内

情報開示の対象となる事業経営者

情報開示の対象となる事業経営者は、事業の25%以上を所有しているか、事業の運営を管理・支配している人です。

事業経営者の支配度を決定するには、”Substantial Control Test” が採用されます。

情報開示が義務付けられる事業体

情報開示が義務付けられる事業体は次のとおりです。

  1. 一般法人(Corporations)
  2. 有限責任会社(Limited Liability Companies)
  3. 州務長官に登録されている、すべての事業体
  4. 海外に登録されているが、米国内で外国企業または子会社として運営している事業体

情報開示が義務付けられていない事業体

例外として、情報開示を義務づけられていない事業体もあります。ここでは、23個の例外のうち、主なものをご紹介します。

  1. 会計事務所
  2. 免税許可のある事業体
  3. 休止中の事業体
  4. 個人事業主

米国財務省金融犯罪捜査網の公式サイト
情報開示を義務付けられていない事業体一覧:www.fincen.gov/boi-faqs#C_2

情報開示の際に必要な事業経営者の情報

情報を開示する際に提供する必要のある事業経営者の情報は、次のとおりです。

  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 住所
  4. ID (運転免許証やパスポートなど)

登録後に情報が変更した場合、30日以内に実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information)の変更を行うことが義務付けられています。

情報の変更、義務を怠った場合の処罰

これらの報告・開示を怠ると、民事上の罰金として上限1日$500が課されます。また、刑事上では2年間の禁固刑と上限$10,000の罰金が課されます。

実質的所有者情報は、米国財務省金融犯罪捜査網(The Treasury Department’s Financial Crimes Enforcement Network:FinCEN)の公式サイトで登録してください。

米国財務省金融犯罪捜査網の公式サイト
Beneficial Ownership Information Reporting:www.fincen.gov/boi

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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