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第140回 アメリカにおける解雇:layoff、RIF(Reduction In Force)、furlough の違い

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アメリカでの解雇について寄稿した第12回「人員削減(Reduction In Force)・レイオフ・解雇手当・失業手当給付金」と第132回「furlough(一時解雇)に関する法的解釈と問題」のコラムで、layoff、RIF、furlough という用語を使用しました。

これらの用語は解雇時の状況によって異なる意味で使用されることがあるため、今回は、意味の違いについて簡単にご説明します。

なお、日本語に訳すことによって法的な意味合いに誤解が生じる可能性があることから、ここでは英語の表記で統一します。

もくじ

layoff(レイオフ)

layoff とは、企業の都合で従業員を解雇するときに使用される一般用語で、RIF(reduction in force)や furlough の際にも layoff という言葉が使用されることがよくあります。

一般的に、layoffとは、企業のサービスや商品への需要が減ったり、それによって企業の収益に影響があったりした際に、従業員の人数を減らすことで会社を維持することが目的です。

第12回「人員削減(Reduction In Force)・レイオフ・解雇手当・失業手当給付金」で「少人数の人員削減」と表現しましたが、layoff という言葉の意味そのものは、少人数でも多人数でも layoff に変わりはありません。

ただ、一般的に、RIF(reduction in force)が組織的な大量解雇であるのに対し、小規模な解雇を layoff と表現します。

layoff は、首になること(Termination for Cause)とは異なり、一般的に、企業から解雇契約書と解雇手当が提供されます。解雇手当の提供は法的な義務ではありませんが、雇用者としては、解雇手当を支給することによって、解雇の対象になった従業員が雇用者を告訴する権利を放棄することを求めることが、一つの目的となっています。

RIF(reduction in force)

RIF(reduction in force)とは、組織的な人員削減のことで、一般的に、経営が危機に陥っている時や、ある部署のサービスや商品への需要がまったくなくなった時に、多人数の従業員を組織的に解雇する時に使用されます。

前述の layoff では、企業の景気が良くなったら再雇用する可能性があるのに対し、RIF の場合は、解雇された従業員の多くは再雇用されることはありません。

なお、layoff 同様、RIF でも企業から解雇手当が支給されるのが一般的です。

furlough

furlough とは、企業の事業が一時的に停滞したり、一時的に企業の収益がなくなったりした場合に、短期間にわたって従業員を解雇することを指します。

これは、COVID-19によるパンデミックのピーク時によく行われた一時的な解雇の方法でした。

前述の一般的な layoff や RIF と異なり、従業員が同じポジションに再雇用される日が決められており、一時的な解雇期間中は、企業から福利厚生が支給されるのが一般的です。従って、雇用者が解雇手当を支給する理由もありません。また、雇用者は、一時的な解雇期間中に従業員に対して給料を支払うことは義務づけられていません。

なお、一時的な事業の停滞であるにも関わらず、企業内の部署の業績不振による人員削減に発展して、furlough が RIF になることもあります。

シャッツ法律事務所
弁護士 井上 奈緒子さん
Shatz Law Group, PLLC
www.shatzlaw.com

当コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関するご質問は、事前に弁護士と正式に委託契約を結んでいただいた上でご相談ください。

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