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2023年6月:フィアンセ・ビザか、グリーンカードか?自分にあった選択の仕方(領事館手続きの場合)

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結婚を予定している国際カップルが、ともにアメリカで生活をスタートする前に直面するのが、ビザの問題です。

今回は、そういったカップルから寄せられる質問の中で特に多い、フィアンセ・ビザとグリーンカードのどちらを申請する方が申請者の状況に合っているかということについてお話します。

なお、ここでは、「国際カップルで外国人の方がアメリカ国外にいること」を前提にお話しします。例えば、外国人が日本にいて、アメリカ人がアメリカにいる場合、あるいは、外国人もアメリカ人も日本にいる場合などです。従って、ここでお話しするグリーンカード申請は、米国内で行うアジャストメント申請ではなく、米国外の大使館で行う領事館手続きのことです。

どちらを申請する方が適切かは、申請者の状況や目的によって異なります。カップルの状況によってどちらも可能なケースもありますし、どちらか一方のオプションしかないケースもあります。

判断の決め手となる主なポイントは次のとおりです。

もくじ

スポンサーのステータス

フィアンセ・ビザのスポンサーは、米国市民でなければならないため、スポンサーがグリーンカード保持者である場合、フィアンセ・ビザのオプションはありません。

すでに結婚している場合

フィアンセ・ビザは、婚約していることが前提ですので、すでに結婚している場合、フィアンセ・ビザのオプションはありません。

グリーンカード取得までのプロセス

グリーンカード申請:移民局で家族ベースの移民ビザ請願申請 → 米国大使館で移民ビザ申請 → 移民ビザ発行 → 永住者としてアメリカに入国 → 入国後、グリーンカード発行

フィアンセ・ビザ申請:移民局でフィアンセ請願申請→ 米国大使館でフィアンセ・ビザ申請 →フィアンセ・ビザ発行→ フィアンセとしてアメリカに入国 → 入国後、90日以内に結婚 →アジャストメント申請 → 認可後、グリーンカード発行

グリーンカード申請の利点の一つは、外国人の配偶者がアメリカ入国する時に、永住者として入国できることです。そのため、入国後にグリーンカードを取得するための追加の手続きはありません。一方で、フィアンセ・ビザの場合は、フィアンセとして入国後に結婚し、アジャストメント申請を経て永住者となるので、入国後、グリーンカードを取得するために、追加の手続きがあります。

審査期間

実際にグリーンカードを取得するまで長くかかっても、一刻も早くアメリカに入国することが目的の場合、パンデミック前までは、フィアンセ・ビザ申請を選択する人の方が多くいらっしゃいました。パンデミック後は、フィアンセ・ビザの審査期間も長くなっている傾向にあり、グリーンカード申請とさほど変わらなくなっています。

結婚の準備

グリーンカード申請の場合、まず、いつ、どこで結婚するかを考えなければなりません。例えば、アメリカ人配偶者がアメリカにいる場合、結婚するために日本に行く予定を立てたり、仕事のスケジュールを調整したり、アメリカから家族が結婚式に参加するか確認したりと、結婚するまでの段取りに時間がかかることが多く、そうしている間に時間のロスが発生します。そこで、フィアンセ・ビザを申請し、審査期間中にゆっくり結婚式の計画を立てることを選択するカップルもいます。ただし、この場合でも、審査期間など明確には予測できない部分があるので、フレキシブルな対応が必要です。

国際カップルの外国人の方に連れ子がいる場合

国際カップルの外国人の方に連れ子がいて、子どもも一緒に渡米したい場合、子どもの年齢が重要になります。グリーンカード申請の場合、結婚成立時に、子どもが未婚で18歳未満であれば、スポンサーの継子として申請できます。フィアンセ・ビザの場合は、未婚で21歳未満の子供は、親の扶養家族として申請に付随することができます。

例えば、親の結婚時に、外国人の連れ子が未婚で19歳の場合、スポンサーの継子としてグリーンカードを申請することはできませんが、スポンサーがアメリカ人であれば、親のフィアンセ・ビザに扶養家族として付随することができます。ただし、この場合は、親が結婚前の婚約状態にあることが前提です。

この他にも、各申請にかかる費用なども決め手となります。費用は家族構成や申請カテゴリによって異なりますが、一緒に永住を希望する子どもがいない外国人一人をスポンサーする場合、グリーンカード申請の方が申請プロセスのステップが少ない分、コストを抑えることができます。

琴河・五十畑法律事務所 弁護士・琴河利恵さん
Kotokawa & Isohata, PS
6100 219th Street SW, Suite 480, Mountlake Terrace, WA 98043. USA
Phone: (206) 430-5108
www.kandilawyers.com

コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。

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