去る7月29日、移民局が2024年会計年度における2回目のH-1Bビザの抽選を行うと発表しました。
2024年会計年度のH-1Bビザ発行の状況
移民局が一会計年度に発給できる一般枠の H-1B ビザの数は65,000件、米国修士号枠は20,000件です。
すでにお伝えしたように、会計年度2024年の H-1B 申請に関しては、移民局は今年3月に抽選を行い、当選者は4月1日から6月30日までの間に H-1B 申請を移民局に提出しました。それらの中には、すでに結果が出ているものもあれば、現在、移民局による審査が行われているものもあります。
そんな状況の中、移民局は2回目の抽選を行うことを発表したわけですが、これは申請受付当初には予定されていませんでしたので、1回目の抽選・申請受付では会計年度の枠を満たすことができないとの判断があったと思われます。
特に2024年分に関しては、過去に比べて抽選申し込み数の著しい増加が見られ、その中には不正が疑われる申し込みも多数あったようです。移民局は、それらの不正な申し込みの調査や取り締まりも行っているようで、抽選後に不正が確認された場合は、H-1B棄却の決定をしたり、すでに認可したケースにおいても、認可取り消しの措置を取ったりしています。
2回目の抽選日は移民局の発表の中では言及されていませんが、もし抽選で選ばれた場合は、当選者の myUSCIS アカウントが更新されます。当選者への通知が終わった時点で、移民局は抽選終了の発表を行う予定です。また、現時点では新規当選者が申請しなければならない期間も発表されていません。
なお、H-1B はオンラインでの申請はできません。また、当選はビザ申請の認可ではないので、当選者は実際の申請においてH-1B の申請条件を満たしていることを証明する必要があります。
バイオメトリクス・アポイントメントのオンライン・リスケジューリング・ツールの新設
移民局の申請では、申請者のバイオメトリクス情報(指紋・顔写真・サイン)の採取が必要なものが多数存在します。
以前に移民局でバイオメトリクスの採取を受けたをことがある申請者は、COVID-19の制限下では、バイオメトリクス・アポイントメントが免除されるケースがかなりの割合で見られました。バイオメトリクス・アポイントメントの免除は、現在も引き続き採用されています。
バイオメトリクス・アポイントメントを移民局がスケジュールする場合は、通常、申請提出後、1〜3ヶ月以内になります。しかし、アポイントメントの通知から実際のスケジュール日までの期間が2週間ぐらいしかない場合があり、申請者にとってはスケジュールが合わないということが起こりえる状況もあります。もちろん、その状況ではアポイントメントのリスケジュールをリクエストすることは可能ですが、今までの方法は、移民局のコンタクト・センターに電話で連絡し、変更の依頼をするというものでした。この場合、問い合わせ番号は発行してもらえますが、その後の移民局からの連絡が数ヶ月後になってしまうことがあり、その間きちんと処理されているのか確認するのは非常に困難でした。
そこで、今回、一部の例外を除いてアポイントメントのリスケジュールが、オンラインでできるようになりました。オンラインのツールを利用するには、myUSCIS アカウントが必要になります。
オンラインでのリスケジュールは、以下の条件を満たす必要があります。
- アポイント日が未来の日付であること。
- リスケジュールのリクエストに正当な理由があること。
- 2回リスケジュールをしていないこと。
- もととなる申請が、I-600 (Petition to Classify Orphan as an Immediate Relative), I-600A (Application for Advance Processing of an Orphan Petition), I-800 (Petition to Classify Convention Adoptee as an Immediate Relative), I-800A (Application for Determination of Suitability to Adopt a Child from a Convention Country) の申請でないこと。
これらの条件に該当しない場合、またはアポイントメントをミスしてしまった場合のリスケジュールのリクエストは、以前と同じようにコンタクト・センター (800-375-5283) に電話で連絡する必要があります。
もし、新しいアポイントメントがスケジュールされた場合は、myUSCISアカウントの”Submitted Requests”セクションに、新しい通知(I-797Cフォーム)が表示されます。
移民局では、アポイントメント時に以下のものを持参するように指示しています。
- アポイントメントの通知
- 有効な政府発行フォトID(例えばグリーンカード、パスポート、運転免許証など)
なお、移民局に提出した申請書のコピーを保管しておくことをお勧めします。
コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。