今回のコラムでは、結婚をベースにアジャストメント申請中の方、あるいはすでにグリーンカードを取得された方からよく寄せられる10の質問に回答します。
Q1:結婚によるアジャストメント申請をしたいのですが、アメリカ人配偶者の収入が足らず、ジョイント・スポンサーが必要になりそうです。ジョイント・スポンサーは家族でなければいけませんか。
ジョイント・スポンサーが家族・親戚である必要はありませんが、グリーンカード申請者に対する経済的責任が伴うため、実際には、アメリカ人配偶者の家族がスポンサーになるケースが多いです。しかし、アメリカに住んでいる18歳以上のアメリカ国籍者あるいはグリーンカード保持者で、米政府の定める収入要件を満たしていれば、血縁関係になくてもジョイント・スポンサーになることができます。
Q2:現在、結婚によるアジャストメント申請が審査中ですが、グリーンカードが取得できるまでの間、アメリカで仕事をすることはできますか。
H-1BやLビザといった有効な就労ビザを持っているケースを除き、就労許可証を取得せずに、アジャストメント申請者が審査中に仕事をすることはできません。通常、働くことを希望している申請者は、アジャストメント申請を提出する時に、就労許可申請も同時に提出します。シアトル地域の直近の審査状況では、申請提出から就労許可カード(EDA)発行までに約3ヶ月かかっています。
Q3:現在H-1B労働者ですが、もうすぐステータスが切れます。アジャストメント申請と同時に就労許可を申請する予定ですが、H-1Bのステータスも延長した方がよいでしょうか。
H-1Bのステータスを延長することによって、アジャストメント申請が却下されたとしても、H-1Bのステータスを維持することができるので、不法滞在になりません。H-1Bステータスを延長することを検討するとよいでしょう。
Q4:現在、結婚によるアジャストメント申請にかかっている審査期間を教えてください。
審査期間は地域やその時々で変わります。移民局の公式なガイドラインによると、現在シアトルの地域移民局では、約8割のケースが2年弱かかっていますが、インタビューが免除されるケースなどは、これをはるかに下回ります。一例ですが、当事務所が担当させていただいた直近の案件で、インタビューが免除されて約7ヶ月で認可されたケースがあります。
Q5:グリーンカード保持者を英語で何といいますか。
グリーンカード保持者のことを英語では、”Legal Permanent Resident”、”Permanent Resident”、”Green Card Holder”、”Immigrant”、”Resident Alien” などと表現しますが、基本的にはどれも同じ意味です。
Q6:永住者番号はどこでわかりますか。
永住者番号のことを英語では Resident Alien Registration Number または A# といいます。発行されたグリーンカードに記載がある USCIS# に続く数字が永住者番号です。
Q7:アメリカ人との結婚によってグリーンカードを取得しました。何年経つと、市民権に変わりますか。
自動的にグリーンカードが市民権に変わることはありません。グリーンカード保持者としての条件を満たしていれば、何年経ってもグリーンカード保持者のままでいることも可能ですし、帰化したい場合には、アメリカ人配偶者との婚姻関係が継続していることが条件でグリーンカード取得後3年で帰化申請が可能です。もちろん、その他の申請条件を満たしていなければなりません。
Q8:グリーンカードが届いたのですが、誕生日が間違っていました。どうしたらよいですか。
移民局に提出した申請書を確認し、正確な誕生日が記載されていて、間違いは移民局によるものなのか確認してください。移民局の間違いによる申請の場合、申請料金は免除されます。そうでない場合は、自身が申請料金を負担しなければなりません。どちらにしても、正しい情報が記載されたグリーンカードの発行が必要となります。
Q9:グリーンカードを紛失しました。特に働いてもいませんし、国外に出る用事もないので、このままでよいですか。
18歳以上のグリーンカード保持者は、グリーンカードを携帯しなければなりません。グリーンカードの再発行手続きを行う必要があります。
Q10:グリーンカード保持者です。日本から母を呼び寄せることは可能ですか。
グリーンカード保持者がスポンサーできる家族は、配偶者および未婚の子供に限られています。日本から親を呼び寄せる場合は、まず、自分が帰化してアメリカ人となり、スポンサーすることになります。
掲載:2022年12月
コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。