移民局が申請を受理してから審査が終了するまでにかかる審査期間のことを Processing Time といいます。
審査期間は、申請の種類や地域によって、またその時々に移民局が処理している申請数や移民局内のリソースやポリシーの変更など、さまざまな要因に影響されるため、変動が激しく、将来の予想が難しいもののひとつと言えます。
そのため、申請において、申請者に混乱や不安を与えてしまうこともあります。
申請の審査期間の確認方法
大半の申請は、移民局のウェブサイト(https://egov.uscis.gov/processing-times/)で(1)申請書番号、(2)申請カテゴリ、そして(3)審査が行われている移民局の情報を選択すると、直近の審査期間が表示されます。
ただし、表示される審査期間は、過去6ヶ月に処理された80%の申請にかかった期間に基づいた数字のため、個人の申請の絶対的な期間を保障するものではありません。よって、参考程度に受け止めることをお勧めします。
審査期間についてのアップデートのリクエスト方法
もし、審査期間が移民局のウェブサイト上に表示された期間を上回っている場合、移民局に自身の申請のアップデートをリクエストできる可能性があります。
上記の Processing Time のページに、申請受領日(申請受理書に記載がある Receipt Date のこと)を入力すると、申請が通常の審査期間外かどうかがわかります。通常の期間を超えている場合は、問い合わせを送信するためのリンクが表示されるので、必要な情報を入力し、提出すると、後日、移民局から返信があります。
もし、通常の処理期間内であれば、移民局に問い合わせが可能になる予定日が表示されます。ただし、この問い合わせ可能な日付も、審査期間の変動とともに頻繁に変更となり得るため、当初の予定日になっても問い合わせができないこともよくあります。つまり、審査期間が長くなると、問い合わせ可能な日も延長されるということです。
シアトル地域で行われている申請の審査期間
さて、ここからは、実際にシアトル地域で行われている申請を例にとってお話します。
例えば、シアトル地域移民局で行われている帰化申請の審査期間を調べてみると、8割の申請が6.5ヶ月で処理されていると表示されます。しかし、実際には、現在大半のケースで、2~4ヶ月で審査が終了しています。
また、グリーンカードの更新申請の審査期間を調べてみると、約8割の申請が26ヶ月で処理されていると表示されます。当事務所の案件の中でも、1週間ほどで認可される申請もあれば、1年かかる申請、3年近くかかる申請と、審査期間はさまざまです。
一般的に、グリーンカード更新に関しては、現在、全体的に審査期間がどんどん長くなっている状況にあります。移民局は、2024年9月10日より、グリーンカードの更新申請を提出したグリーンカード保持者に対して、グリーンカードの有効期限を36ヶ月間延長することを発表しました。
以前、このコラムでもグリーンカードの有効期限を24ヶ月間延長することが申請受理書に記載されることになったとお伝えしたことがありましたが、2024年9月10日以降に発行された申請受理書には、グリーンカードの有効期限から24ヶ月間ではなく、最長36ヶ月間グリーンカードの有効期限を一時的に延長すると記載されています。移民局は、その時々に応じて、一時的な延長期間を変更することがあるため、このことからも、グリーンカード更新の審査に時間がかかっていることがわかります。
上述の通り、審査期間は、さまざまな要因に影響され、突然変動することも珍しくありません。定期的に確認しながら、参考と考えておくとよいでしょう。
コラムを通して提供している情報は、一般的、および教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。また、移民法は頻繁に改正があります。提供している情報は、掲載時に有効な情報です。読者個人の具体的な状況に関しては、米国移民法の弁護士にご相談ください。