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第1回 日本の相続事情について

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相続診断士、ファイナンシャル・プランナー 泉 三紀夫さん

一般社団法人 相続診断協会 企画推進部部長
相続診断士、ファイナンシャル・プランナー 泉 三紀夫さん

【公式サイト】 souzokushindan.com
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相続というと特に若い世代の方は、とても遠い世界の話と感じられるかもしれません。海外で生活されていると、日本の実家のことで不安になったとしても、具体的にどこの誰に相談していいかわからないというお話をよく聞きます。

日本では毎年125万人以上の方がお亡くなりになっています。これを金額に換算すると、1年間で約50兆円の規模の遺産が受け継がれていることから、「大相続時代」と言えます。遺産は家計に大きな贈り物となる可能性もありますが、遺族の揉め事のきかっけになり、話し合いでは解決できず、裁判などに発展するケースも非常に増えてきています。実際に家庭裁判所に持ち込まれる相続関連の相談件数は約18万件を超え、ついに2013年には離婚問題を抜きトップになりました。ちなみに18万件という相談件数は、10年前の約2倍です。また、相続で争うのはお金持ちだけの問題という誤った認識が、一般家庭が相続準備を怠り、問題を複雑にする結果になっています。なぜお金持ちだけの問題だと思うか?それは、遺産に関するニュースとして報じられるのは、遺産金額が多いか、誰でも知っているような有名な方だからです。

しかしながら、実際は1000万円以下の遺産金額で揉めているケースが全体の30%を占めています(下記グラフ参照)。5000万円以下のケースは、実に74%に及びます。相続税を納める富裕層には、経営者や医者、地主などが多いのですが、そうした方は、弁護士や税理士などと日常的に交流があるため、相続に対して事前にそれなりの準備を行っている方が多いと言えます。

相続税の非対象者による紛争の割合

そこでまず、相続問題はお金持ちだけの問題ではなく、誰にでも起こりうる問題だということをご理解ください。また、分けられない実家などの土地(家)があり、現金が少ない家庭で兄弟姉妹が2人以上いると、揉める可能性が高くなります。また、海外に相続人がいる場合は、コミュニケーションがとりにくく、書類の手続きも独特の日本文化があり、うまく進められず相続がうまくいかないケースも多く見られます。「覆水、盆にかえらず」という諺がありますが、同じ家で育った兄弟も相続など一度もめてしまうと、二度と顔を見たくないと疎遠になるケースがほとんどです。そうならないためにも事前の対策が必要です。

相続の問題は、事前の対策がしっかりできれば必ず解決できます。このコラムを通じて、ぜひその方法をお伝えしていきたいと思います。

この連載では、日本の相続事情を詳しく解説し、読者の皆さんからの質問なども受け付けます。ご質問はお気軽にメールでお送りください。

セミナーのお知らせ

日時:2014年12月9日
会場:ワシントン州ベルビュー
講演内容:日本国外に住む日本人が知っておくべき日本の相続事情の最新情報を提供し、実際に笑顔相続ノート(エンディングノート)を書き、笑顔相続ノートの本質を勉強します。自分の状況を的確に把握することで、将来のために「今」何をしなくてはならないかがわかります。

詳細はこちらでご覧ください。

(2014年11月)

コラムを通して提供している情報は、一般的、及び教育的情報であり、読者個人に対する解決策や法的アドバイスではありません。 読者個人の具体的な状況に関しては、直接専門家・弁護士にご相談下さい。

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