今回は特に Self-Employed(自営業者)向けの住宅ローンの種類をご紹介したいと思います。
自営業者は、給料をもらう勤め人とは異なり、提出できる給料明細がなかったりすると、Tax Return(確定申告)を使って収入を計算することになります。そのため、住宅ローンを返済できる収入があっても認めてもらえず、なかなか普通のローンを組むことができない方がたくさんいると思います。
昔は収入も調べられずにクレジットさえよければ簡単に住宅ローンを組むことができましたが、今は上記のような理由から、家を買うこともリファイナンスもできなくて困っているという方も少なくありません。
でも、最近になって、自営業の方を対象にした住宅ローンの種類が少しずつ増えてきました。そのひとつが、Bank Statement Loan です。一般的な住宅ローン(Conventional、FHA&VA)は Qualified Mortgage と呼ばれますが、この Bank Statement Loan は、Non-Qualified Mortgage と呼ばれ、Qualified Mortgage とは別のものとして扱われます。
Qualified Mortgage と Non- Qualified Mortgage の違い
住宅危機の後、消費者を守るためにオバマ政権によって作られた法律に基づき、Qualified Mortgage では「支払い能力があるかないか」に重点が置かれるようになりました。
「Non-Qualified Mortgage はリスクが高い」と思う必要はありません。クレジットスコアでフェアでないと思われたこともある人はよくわかると思いますが、例えば、Debt to Income Ratio(返済負担率)は、Qualified Mortgage では43%までですが、Non-Qualified Mortgage では50%までとなっています。Qualified Mortgage のガイドラインにちょっとしたことで満たない方は多いです。そのために銀行や金融機関はそれぞれユニークなガイドライン(Portfolio Loan)を作ってくれているわけです。
Bank Statement Loan とは
Bank Statement Loanの場合、まず、24ヶ月分のBank Statement (銀行の口座明細)が必要です。つまり、2年間の自営業の記録です。
その間に deposit(入金)された額の合計を24で割り、月々の収入を割り出します。Tax Return は提出しません。クレジットが良ければ12ヶ月分の Bank Statement だけで良い場合もあります。
あなたが過去に Short Sale(空売り)、Foreclosure(差し押さえ)、または Bankruptcy(破産)をしていた場合、住宅を購入する場合の頭金(10%)に普通のローンを組むには5年(FHAの場合は2年)待つ必要がありますが、Bank Statement Loan の場合は2年だけで済みます。
また、いわゆる Jumbo Loa と言われる大型ローンも組むことができますし、購入、リファイナンス、そして、自分の家だけでなく、貸家やセカンドホームのローンも組むことができます。
投資家の場合、投資物件から上がる純収入に対してローンを組むこともできます。この場合の条件はまず、自分の家を持っていることで、物件の価値に対して最高75%まで借りられます。
自営業以外の方も利用
自営業ではない勤め人の方でも、何らかの理由で一般的な住宅ローンを組むのが大変な場合、このBank Statement Loanを利用することができます。Lender(金融機関)によってガイドラインも少しずつ異なりますので、自分のニーズにあったプログラムを選ぶことが大切です。
掲載:2018年11月
みつこ・ミラー(NMLS 107855)
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