第1回のコラムでは、「将来のためにも不動産を含めた投資を欠かすことはできない」とお伝えしました。
確かに、家を購入することは簡単ではありません。家賃が値上がりして貯蓄をするのも難しくなり、その上、家の価格も上昇する一方。でも、それで「購入は無理」と諦めてしまっては、一生、船に乗り遅れたままとなってしまいます。
そこで今回は、家を初めて購入する場合にどのようなオプションがあるか、ご説明したいと思います。
家の購入に必要なもの
家を購入する時は、主に次の3つの経費が必要です。
(1)頭金
(2)クロージングコスト(次回のコラムで詳しくお伝えします)
(3)リザーブ(現金の貯金に限らず、401K や IRA、Cash Value Life Insuranceなども対象)
これらの経費が支払えることを、銀行のステートメント等で証明する必要があります。
かつては売り手にクロージングコストを払ってもらうこともできましたが、今のシアトルの市場ではそんなことをしてくれる売り手はいないでしょう。リザーブは通常、2ヶ月分(ローンの毎月の返済額の2ヶ月分)が必要です。
オプション 1: 頭金不要
普通に家を買うときは、前述のとおり、頭金が必要となることは皆様もご承知と思います。10年前までは「クレジットスコアさえよければ、頭金はゼロ」というローンもたくさんありましたが、今は、そうはいきません。でも、どうしても頭金がない場合には、「Down Payment Assistance Program」というプログラムで、3%の頭金を借りることができます。
「Airbnbで部屋を貸すという条件に同意すれば、頭金がいらない」というローンも巷にはあるようですが、自分がこうしたビジネスをしていきたいかどうかよく考えてみてください。初めて購入できる物件は、2ベットルームしかないかもしれません。子供さんがいる家庭では、部屋を貸すのも簡単ではないでしょう。
こうした「頭金不要」のプログラムに飛びつく前に、ちょっと考慮していただきたいのは、やはり大きなお金を貸す方から見ると、頭金を入れない人たちはリスクが高いと見なされるということです。つまり、頭金がない代わりに、金利が高くなります。
「金利が高くても、一年たったらリファイナンスすればいい」と思われるかもしれませんが、最初の金利に3年間くらい縛られることになる可能性もあります。
これらのローンが悪いと言っているのではありません。他のプログラムとよく比較して、本当に条件が一番よいか、また、購入時だけでなく、その後の支払いや数年後(向こう3年位)の見通しなどを、ローンオフィサーと話し合って計算してもらい、よく理解してから決めていただきたいと思います。
例えば、クレジットスコアが680以下の場合、「Down Payment Assistance Program」はコストが高くなりすぎるため、お勧めしません。
オプション 2:頭金3~3.5%
今は一般的なローンでも、3%の頭金で良いというプログラムがあります(昔は5%の頭金を必要としたものです)。Mortgage Insurance も少しディスカウントされていて、毎月の負担が軽くなります。
Conventional Loan のレートや Mortgage Insurance の額はクレジットスコアで決まってきますので、「スコアが今ちょっと低い」という方は、FHA (Federal Housing Administration)のローンをお勧めします。FHAのローンはクレジットスコアによるレートへの影響があまりありません。なお、この場合、昔は頭金は3%でしたが、今は、リスクを避けるためか、頭金は3.5%となっています。なお、FHA のローンはリザーブの必要がありません。
頭金ゼロのローンと最低3%の頭金のあるローンの比較
頭金を用意しない場合と、少なくとも3%の頭金を入れた場合を比べると、経費の合計金額の違いが必ずしもその頭金の金額となるわけではありません。従って、どちらを選んでもすぐに必要な金額があまり変わらないということであれば、「もうちょっと頑張って3%の頭金を用意する」ということになると思います。
今、お住まいになっているアパートに代わるものだけでも購入することをお勧めします。これによって、次に購入する物件の頭金は、その家が作ってくれるでしょう。
ケースバイケースで数字は異なりますので、遠慮なくご相談ください。お力になれれば幸いです。
みつこ・ミラー(NMLS 107855)
シニア・モーゲージ・スペシャリスト
ディレクターズ・モーゲージ(NMLS 3240)
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直通:(206) 679-3371
メール:mitsuko.miller
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