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第3回 英語を読めるようにするにはどうしたらいいのか

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ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー
清水 楡華(しみず ゆか)さん

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小説家の井上ひさしさんの言葉に「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という、私の好きな一節があります。教室でこんな風に教えられたらといつも思っている言葉です。

フォニックス指導もこれと同じです。英語を読めるようにするために、難しそうなことをやさしく始めます。初めに、英語の文字のひとつひとつの持つ音をマスターしていきます。Aa の名前は〔ei〕ですが音は〔a〕です。

その中で f と v は同じ口の形ですが、空気だけの f に対して音を伴う V があります。これと同じ関係が p と b、t と d になります。

一字一字の音をマスターしたら、今度はそれをいくつかまとめて読んでみます。at、in、et、on、op というように、二つずつ読んでいきます。そして3文字、4文字に増やしていきます。cap は〔c a p〕ですが cape は〔k e i p〕と発音します。同じ a の音でも読み方が違ってきます。最後に e がついていると この a は音の〔a〕ではなく名前の〔ei〕で読みます。また、母音が二つ並んでいる時は、前にある字を名前読みにして後ろの字は発音しません。tea、coat、pie などがそうです。gap、gum、got など g の後ろに a、u、o がくると〔g〕の音で読み、 giant、gentle など g の後ろに i や e がくると g は〔j〕の音で読みます。知れば知るほどフォニックスの決まりがわかってきます。このように音とスペルのルールを学習していくと、80%以上の英単語を自分の力で発音できるようになります。また、一つ一つの音から入るので、発音が正しくきれいになります。

最初に短母音・子音から入り、その後で長母音のルールを学び、pl、cr などブレンドの音を学び、最後に sh、ch、wh といったコンビの音を学びます。こうして英語の発音の決まりを発見し学習していくと、あっという間に自分の力で英語が読めていることに気が付きます。自分で読めるものは、自ずからその意味や使い方もよく覚えていき、本をたくさん読むうちに、語彙力や作文力もどんどんついていきます。このフォニックス法は、楽しいゲームを使うなど工夫をすれば、幼稚園4歳児から十分に指導可能です。

自分で正しく発音できるので、音を聞いてそれをスペルしていくことも可能です。子供が自分で英語で歌っている歌を、すらすらとノートに書き出して、びっくりさせられることがよくあります。その頃には、英語は得意科目のひとつでしょう。英語を母国語とするアメリカ人よりも、上手く読めるようになったりします。 読めるようになった英語に、更に磨きをかけます。子供の脳が一番たくさんのものを吸収する時期に、一流の本物をできるだけ与えてください。同じ年代の子供たちの英語ではなく、完璧な本物の英語を聞かせるようにしてあげてください。

そして、音読みが流暢にできるようになったら、同時に読解ができるようにしていきます。速読速解では、英文を左から読んで理解していくことが大切です。日本語と英語の文法はまったく反対なので、英文を日本文で理解しようとすると、その英文を左にいったり右にいったりして読み進めていかなければならず、時間がかかってしまいます。英文をそのまま英語で理解していくために、後戻りをすることなく文節ごとに読み進めて読解していくと、速読速解ができるようになります。

英語が読めるようになると 英語での読書の世界が大きく広がります。とくにバイリンガルの子供たちにとって読書の世界での疑似体験は必須です。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく。」早く子供たちが自分の力で音読できるようになり、英語の読書の世界を楽しませてあげてください。

日本語の読書の世界と英語の読書の世界、その両方を通してバイリンガルの子どもたちは、国際人としての感性を磨いていくことでしょう。 

掲載:2013年3月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。
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