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第18回 Happiness

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ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー
清水 楡華(しみず ゆか)さん

14640 NE 24th Street
Bellevue, WA 98007
【電話】 (425) 785-8032
【公式サイト】 ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー土曜学校
バイリンガル幼稚園BCA 現地校(英語サイト)
Willows Preparatory School ミドルスクール現地校(英語サイト)
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昨日の土曜日はたくさんの Happiness に巡り合えた日でした。

BCA

運動会でのパン食い競争

一つ目の Happiness。BCA 土曜学校の保護者の方に英語で触れ合う機会がありました。今まで17年間、一度も気づいてあげることができなかった、開いてあげることができなかった、英語での保護者とのミーティングを行ったのです。日本語学校だからという傲慢さが小さなグループを無意識に無視してきてしまったようです。

親が誰であろうと、日本語を学習する子供たちは同じです。その子供たちをご家庭でサポートしてくれる保護者の皆さんに申し訳なく思いました。日本語での会話ができなくても日本語をよく知っていらっしゃる、日本人以上に博学で深い知識を持っていらっしゃる、そしてなによりも我が子に日本語教育を望み、理解し、サポートしてくださっている、そんなすばらしいご父兄とのミーティングから一日が始まりました。ミーティングを終えて何ともいえない温かい気持ちになりました。きっと言葉を超えて保護者の子供に対する温かい思いを感じ、そしてそれを BCA 土曜学校に託してくださっている信頼とサポートがそこに溢れていたからでしょう。

BCA

東北大学大学院情報科学研究科人間社会情報科学専攻の堀田龍也教授による講演。

また、特別なサポートが必要なお子様の保護者との触れ合いもありました。静かにそしてすべての愛情をひとつに集中するかのように、教室の外で待機してお子様が出てくるのを待っていらっしゃるお父様。お父様から学校側の柔軟な対応に感謝の言葉をいただいた時。少しずつしかし確実にお子様が成長しているお話をしていただいた時。お父様に感謝しなければいけないのは私たちなのに、という思いが募りました。保護者と学校との願いは同じです。それはたったひとつ、大切な一人ひとりの子供の健やかな成長です。

1学期最後の授業後、6年生のクラスで保護者も交えてのパーティがあります。だんだんコミュニケーションが難しくなり自立意識が出てくる年頃の6年生ですが、一緒の時間を共有することでより強いサポート体制を引くことができます。保護者の皆様の働きかけにまた感謝です。 

二つ目の Happiness。授業中に落ち着かなくて先生の言うことが素直に聞けず、生徒指導をしていた健二君(仮名)がいます。悩みに悩まれた担任の先生から相談を受けました。健二君のご両親もお呼びしてお話しをしました。土曜学校で見られる行動は当然現地校でも見られるからです。ご両親と協力体制で少しずつプランをたてて取り組むことに納得していただきました。

BCA

その日の放課後、BCA 土曜学校のサッカーの練習がありたまたまその練習を目にしました。なんと、指導中の健二君が生き生きとサッカーでリーダー役をしているではありませんか。サッカーの決まりや順番を守り、お友達を待ち、コーチの指示に従って練習している姿がありました。

私はとっさに担任の先生に見せてあげたいと思い、担任の先生を校庭へ引っ張って来ました。すると健二君は先生の姿を見つけるなり、はつらつとした笑顔で「先生ー!」と大きく手を振りあげ叫んでいます。その姿に、「ああ大丈夫。ちゃんと先生と心が繋がっている」と思いました。それを伝えると、先生のお顔に満面の笑みがこぼれました。先生と生徒の人間同士の信頼の繋がりの瞬間を見た、心がほっこりする Happiness でした。

BCA

BCA の保護者が放課後に土曜学校サッカーのチームをコーチしてくれています。人口芝の校庭の隅にはそれを見守るお母様方。時折起こる子供たちの歓声!素敵な初夏のシーンです。

三つ目の Happiness には、授業終了後の先生方の勉強会で出会いました。

BCA

日本ですばらしい指導経験を持ち、NHK の 『わくわく授業』 でも取り上げられテレビで紹介された金先生による ICT の活用の研修に30名以上の先生方が熱心に参加しました。4月から新しく BCA に参加されたばかりの金先生がすでに BCA のスタッフから暖かく迎えられ、活躍される姿を見て、土曜学校の先生方の優しさとチームワークに心より感謝しそんなチームを誇りに思いました。そして何よりも研修を行っている金先生の幸せそうな素敵な笑顔に心打たれました。

バイリンガル教育はいつも話題に取り上げられます。でもその方法の確かな答えはありません。今から10年後に既存の半分以上の職業が姿を消し、新しいものに変わってしまうかもしれないという、変化の目まぐるしい現代社会で、教育は知識を教える教育から 新しいものをデザインし生み出す教育へ変わらなければいけません。バイリンガル教育ではさらにその上に世界市民としての気質を育てていかなければなりません。そして、世界市民でありバイリンガルである子供と保護者と指導者が一体になって、子供の伸びる道を作っていかなければなりません。

それら三者が信頼と人間愛によって繋がるのを垣間見ることができたのが、今日の私の Happiness でした。子供に愛情を持って、平凡な一瞬一瞬を大切にしながら一生懸命恐れずに歩んでいくことが一番の近道かも知れません。そこにお母様やお父様の素敵な笑顔があれば、間違いがないと思っています。

6月の Happiness に溢れた一日から。

掲載:2017年6月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。
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