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第14回 国際化社会とバイリンガル

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ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー
清水 楡華(しみず ゆか)さん

14640 NE 24th Street
Bellevue, WA 98007
【電話】 (425) 785-8032
【公式サイト】 ベルビュー・チルドレンズ・アカデミー土曜学校
バイリンガル幼稚園BCA 現地校(英語サイト)
Willows Preparatory School ミドルスクール現地校(英語サイト)
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2000年に小学生10名で開校した Bellevue Children’s Academy。今年の生徒数は 710名で、来年度はそのうち100名がミドルスクールに進学します。生徒の中にはバイリンガルがたくさんいます。ロシア語と英語、中国語と英語、ヒンディ語と英語、スペイン語と英語・・・今のアメリカ社会では英語に加え、ほかの言語が使えることも要求されます。このような世界の国際化にともない、バイリンガル教育は私たち日本人だけの課題ではなく、世界共通の課題になっています。

教育の現場では、言語と文化を指導しています。家庭では親が努力して、二つ、またはそれ以上の言語環境を作り、夏休みなどを利用して母国へ連れて行き、生活を体験させたりしています。このように、バイリンガル教育には学校と家庭との連携がとても大切なのです。

しかし、バイリンガルを受け入れる 側の社会はどうでしょうか?日本人のバイリンガルの場合、日本人と外国人との間に生まれたハーフのバイリンガル、日本人の両親と日本国外で育ったバイリンガルに大きく分かれますが、このユニークな子供たちを受け入れ、彼らの能力を引き出し、さらには日本の国際化に貢献してもらう場が、日本社会にあるでしょうか?

日本は島国のため、他の国に比べて多文化・多人種を受け入れる体制が遅れています。これは、いじめなどによってバイリンガルの子供たちの伸びる芽が 摘み取られないよう、職場で「英語をしゃべる変な日本人」というレッテルを貼られないよう、今の社会を担っている私たちの世代が、もう一度見直さなければいけない課題ではないでしょうか。例えば、企業がバイリンガルの人材を上手に活用する戦略を実行すれば、日本がもっと世界で活躍できるはずです。日本だけでなく、アジア近隣諸国が一体となり、世界に向けた大きな舞台作りが必要です。それこそが、バイリンガルの子供たちの舞台になります。

しかし、日本の政府や企業に頼るだけでなく、私たち一人ひとりが意識を持って、その”舞台” を作っていくことが大切です。私が主催する BCA土曜学校にも、英語と日本語の両立を目指して一生懸命にがんばっている子供たちがいます。その素晴らしい能力を十分に活かし、そこから大きなものを生み出してもらうための大きな舞台を用意してあげたく思います。バイリンガルの子供たちを指導しながら、彼らの家庭を励ましながら、一企業として社会貢献のあり方を見直し、企業同士が集まってできることを模索しています。

バイリンガル教育が日本に限らず国際的な課題となっていること、日本も国際結婚などで多様化してきていること、バイリンガルの学生の海外就 職が増えていることなどから、バイリンガル教育と子育ての現場である学校と家庭だけでなく、それ以外のフォローアップとサポートも必要だと思います。現時点ですぐに出せる答えはありませんが、多くの人が問題意識を持つだけでも何か大きな力を生み出せる原動力になるかもしれません。

掲載:2014年3月

このコラムの内容は執筆者の個人的な意見・見解に基づいたものであり、junglecity.com の公式見解を表明しているものではありません。
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