ナースプラクティショナー・助産師・看護学博士
押尾 祥子さん
Sachiko Oshio, CNM, PhD, ARNP
Nadeshiko Women’s Clinic
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新型インフルエンザが流行し始めています。それと同時に、普通の季節型インフルエンザも流行する季節になりました。新型(豚)インフルエンザは新しい型なので、すでにかかった人以外は免疫がないと見なされます。感染力が強く、プルマンにあるワシントン州立大学では、秋学期が始まってまもなく、2,000人が感染したと報告されています。新型インフルエンザは、一般的には普通の季節型インフルエンザよりも症状は軽いですが、妊婦と乳児に限ると、重症になって死亡する率が高いことがわかってきました。アメリカで妊婦が人口に占める割合は1パーセントほどですが、インフルエンザで死亡した人のうち6パーセントが健康な妊婦でした。なお、生後6ヶ月になってない乳児は、予防注射を受けられません。しかし、母親が妊娠中に予防注射を受けておけば、胎盤や母乳を通じて乳児も免疫ができます。
CDC(疾病予防管理センター)では、妊婦、6ヶ月以下の子供や妊婦のいる家族、6ヶ月以上の子供から20代までの若い人、医療関係者、デイケアの職員などに、優先的に予防接種をすすめています。この冬を健康に過ごすために、季節型インフルエンザと、新型インフルエンザの、2種類の予防接種を受けることをお薦めします。季節型インフルエンザは、かなり前から妊婦用に使われており、安全性が確認されています。新型インフルエンザの予防注射も、型が違うだけで、基本的には同じ成分なので、妊婦にも安全です。
一般のスーパーマーケットや薬局の店先で提供されている予防接種には、保存剤として水銀(Themerosal)が含まれています。CDC では、水銀は安全としていますが、ワシントン州では、妊婦や子供には水銀を含まないものを使用することが決められています。一般のスーパーマーケットでも保存剤を使用しないインフルエンザ予防注射があるところもありますが、妊婦は産婦人科、2歳以下の子供は小児科で予防接種を受けることをお薦めします。
(2009年9月)