ESTA(エスタ)とは?
ESTA(エスタ)とは、Electronic System for Travel Authorization(電子渡航認証)のことです。
ビザ免除プログラム(VWP)参加国の国籍保持者が、陸路・空路・海路で、アメリカ合衆国に90日以下の商用または観光でビザなしで入国する場合に申請し、認証を受けておくことが義務付けられているものです。
トランジット(乗り継ぎ)の場合も、ESTA(エスタ)を申請して認証を受ける必要があります。
ESTA 申請の条件と対象者
例えば、日本もビザ免除プログラム(VWP)の参加国なので、日本国籍保持者がアメリカ合衆国へビザなしで入国・経由する場合は、ESTA(エスタ)の申請・認証が必要ということになります。
この申請・認証は、年齢に関係なく、ビザなしの渡航であれば、全員に必要です。
条件をまとめると:
- Visa Waiver Program(ビザウェーバー)対象国の市民または資格のある国民であること。
- 現在、米国を訪問・米国に滞在するためのビザ(査証)を保有していないこと。
- 渡航期間が90日以下であること。
- 米国への渡航目的が商用または観光であること。
- 米国以外の国が最終目的地で、米国でトランジット(乗り継ぎ)する場合も含む。その場合、「米国への渡航は、他国への乗り継ぎのためですか。」という質問に対し、「Yes(はい)」を選択する。
ESTA 申請のための公式サイト
ESTA(エスタ)の申請は、米国国土安全保障省(DHS)が運営している公式サイトから直接申請することができます。
日本語版を含む、さまざまな言語で申請ページが用意されています。入力は英語のアルファベットを使う必要がありますが、申請手順や解説も日本語でも用意されているので、個人でもグループでも申請できます。
旅行代理店が有料の申請代行があります。自分でできない場合は利用するといいですが、前もって料金を確認しましょう。高いと感じるのであれば、自分で申請するのがおすすめです。
「ESTA 申請」などと検索すると、国土安全保障省の公式サイトを模倣したウェブサイトがたくさん見つかります。公式サイトで申請したと思い込ませ、申請後に本来の申請料金(21ドル)に高額の手数料を上乗せした金額を請求するという手口が問題となっています。模倣サイトではなく、上記の公式サイトで申請してください。
ESTA 申請のタイミング
ESTA(エスタ)の申請は、渡航前であればいつでも可能です。しかし、国土安全保障省は、渡航に先立ち、少なくとも72時間前(渡航3日前)までに申請することを推奨しています。
- 国土安全保障省の公式サイトでの申請ページでは、申請にかかる時間が数十分と表示される場合もあります。それを見て、当日や空港まで申請をしないでもいいと考える人もいるかもしれません。しかし、渡航直前で何らかの理由で申請や却下された場合、その影響は計り知れません。
- 承認されたESTAを持っていない場合、アメリカ合衆国行きの飛行機に搭乗することもできません。
- ですので、アメリカ合衆国への渡航日と滞在予定先の住所(複数箇所の訪問を計画している場合は、最初の住所の入力だけが必要)を使い、前倒しで申請して認証を受けておくと安心です。
ESTA の有効期限
ESTA(エスタ)認証の有効期限は、認証が取り消されない限り、承認された日から2年間、または渡航者の旅券失効日までのどちらか先の方になります。
つまり、その有効期限内であれば、アメリカに渡航するたびに申請する必要はありません。
ESTA の申請費用
ESTA の申請料金は21ドルです。日本円では約3150円(1ドル=150円換算)となっています。支払いには、クレジットカード、デビットカード、または paypal(ペイパル)を使用できます。
使用できるグレジットカードとデビットカードは次のとおりです:マスターカード、ビザ、アメリカンエキスプレス、ディスカバー(JCB、Diners Club)
ESTA の申請にかかる時間
ESTA の申請ページは、日本語版を含む、さまざまの言語で用意されています。入力は英語のアルファベットを使う必要がありますが、慣れている人であれば、一人分の申請にかかる時間は10分程度です。
焦って入力内容を間違ってはいけないので、ESTA 申請に必要なものを手元に用意し、時間に余裕がある時に行いましょう。
ESTA の申請に必要なもの
- Visa Waiver Program対象国発行の有効なパスポート(旅券)
- 旅行者の有効な電子メールアドレス
- 旅行者の自宅住所と電話番号
- 旅行者の緊急連絡先の電話番号と電子メールアドレス
- 支払いに使用するクレジットカード、デビットカード、またはPayPalの情報
次の情報が必要になる場合もあります。
- 旅行者の別名または別称(該当する場合)
- 旅行者の国民IDあるいは社員・職員ID番号(該当する場合)
- 旅行者のグローバルエントリー/NEXUS/SENTRI ID 番号(該当する場合)
- 旅行者の雇用主の住所と電話番号(該当する場合)
- 旅行者のアメリカ合衆国における連絡先の氏名、住所、および電話番号(該当する場合)
ESTA 申請の方法と手順
「日本語」を選択すると、以降は日本語表記に変わります。
個人かグループによる申請か選択します。家族で旅行する場合など、親がオンライン申請が自分でできない子どもの分も一緒に申請したり、オンライン申請が自分でできない親や祖父母の分を子どもが申請したりといった場合は、「グループによる申請」を選び、まとめて申請して、まとめて支払うと便利です。
その後、旅券(パスポート)の写真をアップロードします。旅券に記載されている申請者の情報を正確に入力します。
次に「セキュリティに関する通告」が表示されます。これを読み、「確認して続行」をクリックします。
「はい、私は上記の説明を読み、内容を理解し、これらの条件に合意します。」を選択し、「次へ」をクリックします。
次に、旅券をアップロードし、申請者/パスポート情報を入力します。
渡航先の情報を入力します。
疫病、身体的または精神的疾患、薬物乱用および薬物依存についての質問があります。
申請内容をすべて確認します。それぞれの項目の内容について「確認&続行」をクリックして、次に進みます。最後にもう一度、パスポート(旅券)の情報を正確に入力します。
これが最後のステップです。申請は支払いが完了しないと実行されません。最後まで気を抜かず、支払いを完了させましょう。申請料金は21ドルです。日本円では約3150円(1ドル=150円換算)となっています。支払いには、クレジットカード、デビットカード、またはペイパルを使用できます。
支払いを完了すると、申請が終了したことになりますが、認証を受けたわけではありません。これから最大72時間以内に認証を受けられるかどうかが決まります。
ESTA 認証を受けられたどうかの確認手順
ESTA(エスタ)の申請が完了した後、認証を受けられたかどうかは、自分で確認する必要があります。
以下では確認手順をご紹介していきます。
「日本語」を選択すると、以降は日本語表記に変わります。
必要情報を入力し、申請の状況を確認します。
申請番号がわかっている場合は、パスポート番号と生年月日と申請番号のみで確認できます。
申請番号がわからない場合は、国籍、パスポートの発行年月日と有効期限も入力する必要があります。
その後、「申請を検索する」をクリックします。
そうすると、検索時点の状況が表示されます。
申請が認証されていれば、「認証は承認されました」と表示されます。その際、有効期限も表示されるので、確認しておきましょう。
主な注意点
- 2019年1月から、ESTA 申請は即時に認証されなくなりました。渡米の予定が決まり次第なるべく早く、少なくとも渡米72時間以上前に ESTA 申請を済ませる必要があります。
- ビザ免除プログラムを利用している場合、米国を通過するだけでも、ESTA 渡航認証が必要です。
- 米国政府は、米国政府とは一切関係のない第三者が無許可で情報提供料や申請手数料を要求する模倣ウェブサイトに注意するよう呼びかけています。
- カナダやメキシコから陸路で最初に米国に入国する場合も、ビザ免除プログラムを利用できますが、ESTA 渡航認証が必要です。
いかがでしたでしょうか?これから渡米する方は、このページを ESTA 申請の参考にしていただければ幸いです。
なお、ESTA 認証は入国を保証するものではありません。ですので、入国審査やその注意点を、移民法専門弁護士の琴河利恵さんによるコラムでご一読になり、スムーズに入国できるよう準備をしてください。