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WNBA シアトル・ストームで米国のスポーツ・マネジメントを学ぶ 長渕一朗さん

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長渕一朗(ながぶち・いちろう)さん
【学校】 South Seattle College
【留学開始】 2016年3月
【インターンシップの内容】 シアトル・ストーム

留学しようと思ったきっかけは?

日本の大学では国際系の学科を専攻しており、大学入学時から留学に憧れはありましたが、これといった留学目的を持つことができなかったのでためらい続けていました。でも、スポーツ業界を将来の視野として入れていることもあり、大学3年だった昨年の夏、「せめて短期だけでも海外でいいきっかけを得たい」と、シアトルでのスポーツマネジメント研修に1週間参加したのです。そこで、シアトル・サウンダーズの COO、今お世話になっているシアトル・ストームのチケットセールスのスタッフなど、実際にチームマネジメントを行っている方々のレクチャーを受け、シアトルのチームの試合を観戦しました。

そこで最も衝撃を受けたのは、アメリカでのスポーツ観戦は「ただそのスポーツの試合を見たいから見に行く」というより、「スタジアムの雰囲気、子供向けの施設やイベントなども含めた、総合的なエンターテイメントを楽しみに行く」という感覚であること。つまり、アメリカにおけるスポーツ観戦は、もはやハイキングにおける山のような、いろいろ揃っているテーマパークのような、レジャーの一部なんですね。

日本に帰国してからも、「もっとこのスポーツの街シアトルで、スポーツ・ビジネスを勉強してみたい」という思いが消えず、留学することを決心しました。スムーズに行かないこともありましたが、家族をはじめ、さまざまな方の支えで、再びシアトルに来ることができました。

このインターンシップを選んだ理由は?

昨年研修でシアトルに来た時、今の私と同じようにこのプログラムに参加してシアトル・ストームでインターンシップをしていた方にお会いしました。その時はただ憧れでしかなかったのですが、昨年シアトル・ストームでプレーした渡嘉敷選手が今年もプレーすることが決まり、「今年も日本人インターンを探しているから、やる気があるならやってみないか」と、プログラムのコーディネーターに声をかけていただき、「こんなチャンスはめったにない」とチャレンジすることにしました。

ここでしか得られないこととしては、プロ・スポーツチームの内側を見ることができること、日本語ができるという自分の長所(日本人としては当たり前ですが)を使ってチームに貢献できること、日本代表の渡嘉敷選手と関係者として関わることができるなどが挙げられます。日々、ここでしかできないであろう学びや気づきを感じるので、貴重な経験をさせていただけていると思っています。

どんなインターンシップ?

主な業務として、オフィスではチケットセールス、試合日は昨年の日本人インターンの方から引き継いだツイッターの「シアトル・ストーム日本語版公式アカウント」(@SeattleStorm_JP)を使って、試合の状況などを発信しています。

チケットセールスでは、他のスタッフがしていることなどを参考にして、必要であれば電話でセールスもします。英語はもちろんですが、日系コミュニティとは日本語をたくさん使いますね。日本ではアルバイトのみでインターンシップなどの経験はほぼなかったので、シアトルで日本語でのビジネススキルも勉強できているかなと感じます。

特に僕が力を入れているのが8月31日に開催される 『Celebrate Japan Night』。渡嘉敷選手の母国である日本にスポットを当て、試合の合間に日系コミュニティのグループによる演奏、試合後の渡嘉敷選手との Q&A などを盛り込んで、日本人の方に楽しんでいただける日になると思います。日系コミュニティはもちろん、僕と同じ年代の学生の皆さんにも楽しんでもらいたいと思っているので、日本人留学生が多いと思われるカレッジにフォーカスしてコンタクトをとっています。

そして、試合日はキーアリーナに行き、ツイッターを使ってストームの情報を発信しています。公式アカウントに沿った試合結果や情報も発信していますが、日本語アカウントのフォロワーが求める渡嘉敷選手に関する情報や、メディアチームに頼んで用意してもらった渡嘉敷選手の写真・動画をツイートするようにしています。先日は、広報を経由してオリンピックへ向けての抱負という感じで、渡嘉敷選手からのメッセージを撮影させていただいて、それを Twitter に投稿しました。やはり、渡嘉敷選手がリツイートすると、フォロワーの反応がかなりいいですね。現在、他でもソーシャルメディアを使ったインターンシップをしており、スポーツだけでなく、すべてのフィールドで今の時代におけるソーシャルメディアの重要性を実感しています。

どちらも思ったより自由にさせていただいてる反面、自分からどんどんアクションをかけていかないと、自分の仕事で忙しいスタッフに後回しにされて結局忘れられてしまうので、「これをやっていいか」「これをやりたいから、これ手伝ってほしい」などと積極的に声をかけていくようにしています。

全体的に見て、プロスポーツチームがどのようにマネジメントされているかなど非常に勉強になりますし、アメリカだけでなく日本でもなかなかできないことだと思います。

これから同じような方法でシアトルに来る人へのアドバイス

まず、この方法で来たことは本当によかったと思っています。スポーツマネジメントを勉強したい人はぜひ、本場のアメリカ、そしてその中でもスポーツが盛んなシアトルに来ることをおすすめしたいです。

僕の場合はインターンシップ・プログラムの延長線上でこのインターンシップをしていますが、実際にやってみて、正直、学校とインターンシップの両立は僕にとってはかなり難しいのではないかと感じました。でも、やる気があるなら、このプログラムは頼りになるコーディネーターもいるので魅力的だと思います。

また、シアトルは日系コミュニティがあり、インターンシップだけでなく、ボランティアなどの課外活動も日本人留学生にとって非常にしやすい環境にあると思います。僕も最初の頃はボランティアやミートアップに参加して、ネットワーキングをしていました。また、留学生、学生団体を運営している方々にお会いすることでいろいろな情報をもらうこともできます。せっかくの留学なので、英語を勉強するのはもちろんですが、身につけた英語を使って自分のしたいことをすること、そして、英語にこだわりすぎず、日本人とも関わっていくと、自分の選択肢がどんどん増えて、留学生活もより充実するのではないかと思います。

リオデジャネイロ五輪に出場する渡嘉敷来夢選手の壮行会にて

掲載:2016年7月

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